コンヴァノ、21,000BTCを活用しビットコイン運用へ 企業財務モデルを刷新

2025年10月7日、ネイルサービス大手の株式会社コンヴァノ(東京都渋谷区)は、暗号資産ビジネスを統括する「ビットコイン保有戦略室」において、新たな財務戦略「シン・コンヴァノ 21,000 ビットコイン財務補完計画」を策定した。
従来の保有方針を改定し、オプション取引や自己勘定ディーリングを通じた運用を開始する。
ビットコイン21,000枚を保有・運用対象化へ 財務リザーブ資産から収益基盤に転換
株式会社コンヴァノは、2027年3月末までに発行上限の0.10%にあたる21,000BTCを保有する中期KPIを維持しつつ、単なる長期保有から「運用型財務モデル」への転換を進める。
新計画では、保有ビットコインを100%運用対象に充当し、カバードコールやキャッシュセキュアード・プットなどのオプション戦略を活用して収益を創出する方針だ。
取引は主要暗号資産取引所およびOTC市場を活用し、スプレッド収益やボラティリティを収益源とする。
リスク管理には「グリークス」や「VaR(Value at Risk)」を採用し、急変動リスクに備える。
加えて、英領ヴァージン諸島に2025年11月稼働予定の新設予定の子会社を通じ、国際的な執行体制を構築する。
資金調達は株式の希薄化を抑える構成で、NASDAQ上場企業および国内投資会社による社債引受が50%、第三者割当増資による資本参加が50%で進める。
総額は数千億円規模を想定し、グローバル資本市場での信用力強化を図る。
暗号資産を核とした財務革新の試み ボラティリティ活用と国際展開の成否が焦点
今回の「シン・コンヴァノ計画」は、企業財務におけるビットコインの位置付けを「静的保有」から「能動運用」へと拡張する試みであると言える。
ボラティリティ(※)を積極的に活用することで、相場変動そのものを利益機会とみなす姿勢は、伝統的な企業財務モデルとは一線を画す。
一方で、暗号資産市場の高い価格変動性や規制変更リスク、為替影響など、不確実要素も少なくない。
とりわけ、オプションやディーリングに伴うリスク管理体制がどこまで機能するかが重要な分岐点となるだろう。
とはいえ、BTC運用を通じたキャッシュフローの安定化やEPSの成長が実現すれば、コンヴァノは美容・ライフスタイル企業からWeb3インフラプレイヤーへと進化する可能性を秘めている。
暗号資産を本格的に財務ポートフォリオへ統合する取り組みが、今後の企業金融の新たな指針となるか、注目される。
※ボラティリティ:価格変動の度合いを示す指標。値動きが大きいほどリスクとリターンの幅も拡大する。











