マスク氏率いるxAI、約200億ドル調達へ エヌビディアも出資でAI競争加速

2025年10月7日、米ブルームバーグは、イーロン・マスク氏が率いる人工知能(AI)新興企業xAIが、約200億ドルの資金調達を進めていると報じた。
xAI、200億ドル規模の調達計画 エヌビディアがGPU供給と出資で関与
報道によれば、xAIの資金調達は株式と負債が含まれ、総額は200億ドル規模に達する見通しだ。内訳は株式がおよそ75億ドル、負債が最大125億ドルになる見通しで、エヌビディア製GPUを購入するための特別目的会社を通じて構成されるという。
エヌビディアはこのうち、株式部分に最大20億ドルを投じる見込みであるという。
今回の巨額調達は、同社のAIデータセンター「コロッサス2」に関連するものになる見通しだ。
xAIとエヌビディア双方がコメントを控えたと伝えた。
巨額投資が映すAI覇権競争の構造変化 資源集中とリスクの両面
xAIによる200億ドルの調達は、AI産業において「技術革新」よりも「資本とインフラの規模」が競争優位に影響を及ぼす可能性を示唆している。
膨大なGPUを自社で確保することで、マスク氏はAI開発の主導権を他社から分離する意図があると考えられる。エヌビディアにとっても、主要顧客であるxAIへの出資は市場における影響力を高める契機となるかもしれない。
一方で、資金と計算資源の集中は、AI産業の寡占化を加速させる可能性がある。
GPUの供給が一部の大手に偏ることで、中小AIスタートアップの参入障壁が高まる懸念も指摘されている。また、巨額の負債を伴う調達スキームは、市場環境が悪化した場合に資金繰りのリスクを抱える可能性も否定できない。
さらに、xAIがデータセンターを拡張し、X(旧Twitter)との連携を強化すれば、ソーシャルデータを活用した独自のAIモデル構築につながる可能性がある。
これはOpenAIやGoogleとは異なる差別化要素となるかもしれない。
AI開発が「モデル性能の競争」から「データ・資金・計算力の総合戦」へと変化する中、マスク氏の次の一手が業界構図に影響を与えるかどうか、今後の動向が注目される。
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