ビットマイン、イーサリアム保有量283万ETH超 総資産134億ドルに到達

2025年10月6日、米国上場企業ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズ(BitMine Immersion Technologies)は、同社のイーサリアム(ETH)保有量が283万ETHを突破し、総資産額が134億ドル(約2兆円)に達したと発表した。
世界の上場企業の中で最大のイーサリアム保有企業となる。
ビットマイン、イーサリアム全供給量の2%を保有
ビットマインによると、2025年10月5日時点での同社の資産内訳は、イーサリアム(※)283万151ETH、ビットコイン192BTC、ナスダック上場のエイトコ・ホールディングス株式1億1,300万ドル相当、現金4億5,600万ドルで構成される。
この結果、同社の総資産額は134億ドルに達し、暗号資産関連企業としては世界有数の規模となった。
会長のトム・リー氏は、イーサリアム保有量は全供給量の2%を超えたとし、最終的には5%に到達することを目指す「アルケミー・オブ・5%(Alchemy of 5%)」構想を掲げた。
ビットマインはNYSEアメリカンに上場しており、イーサリアム保有量では上場企業中で世界1位、イーサリアムを含めた保有暗号資産の総額ランキングではストラテジー(Strategy)に次ぐ第2位に位置する。
また、こうした急拡大は、市場構造にも影響を及ぼしつつある。米調査会社ファンドストラットによると、同社株(ティッカー:BMNR)は10月3日時点で5日間平均出来高が25億ドルに達し、米株式市場全体で第28位の高い取引量を記録した。
投資家の注目度が急速に高まっていることが窺える。
※イーサリアム(Ethereum):スマートコントラクトを実行できるブロックチェーンプラットフォーム。ETHはその基軸通貨として、分散型金融(DeFi)やNFT取引などに広く利用されている。
ETH集中戦略が市場にも波及 流動性やリスク分散に課題も
ビットマインの動きは、暗号資産市場におけるイーサリアムの位置付けを一段と高める可能性がある。
機関投資家によるETH保有が進むことで、価格の安定性や市場の信頼性の向上が見込まれる。
また、同社の「Alchemy of 5%」構想が実現すれば、ETHの市場供給がさらに絞られ、価格上昇要因になる可能性もあるだろう。
他方で、資産集中はリスク分散の観点から課題を残す。特定資産への依存度が高い場合、市場変動や規制変更の影響を受けやすい。
とくに米国証券取引委員会(SEC)が今後、暗号資産の保有・開示ルールを強化する可能性もあるため、戦略の持続性が問われる局面に入ったといえる。ビットマインの巨額保有は、暗号資産を新たな企業財務の柱とする流れを象徴するものになりそうだ。
今後、他の上場企業が同様のアプローチを取るかどうかが、市場全体の方向性を左右するだろう。











