Sansanの名刺アプリ「Eight」、AIで職歴・スキルを自動要約する新機能を開始

2025年10月6日、Sansan株式会社は名刺アプリ「Eight」において、AIがユーザーの職歴やスキルを整理・要約し、プロフィール文を自動生成する新機能の提供を順次開始した。
企業の採用活動や個人のキャリア発信にも活用される見通しだ。

Eight、AIでキャリアサマリを自動生成し名刺活用を強化

Eightは、登録された名刺情報や公開情報をもとに、AIがユーザーの職歴やスキルを整理し、プロフィール上の「キャリアサマリ」を自動で生成する新機能を実装した。
ユーザーは生成された文章を確認・編集し、プロフィールに反映することで、自身のキャリアや専門性を簡潔に伝えられるようになる。

本機能は特許出願中の独自ロジックで文章を生成し、Eightアプリ上の「生成をはじめる」ボタンを押すだけで作動する。ユーザーが簡単にキャリアを整理できるほか、初対面でも会話や関係構築の糸口が生まれやすくなる点も特徴である。

さらに、このキャリアサマリはEightのダイレクトリクルーティングサービス「Eight Career Design」においても活用可能だ。企業は候補者の経歴やスキルを迅速に把握できるため、スカウト精度の向上や採用活動の効率化が期待される。

背景として、Eightではこれまでユーザーが手動で入力していたプロフィール情報に未記入の箇所が多く、名刺交換時に十分な経歴が伝わりにくいという課題があった。
今回のAI機能は、この課題を解消し、ユーザーが自身のキャリアを客観的に整理するきっかけにもなる。

キャリアの透明化が進む一方で、情報管理とAI精度の向上が課題に

EightのAI要約機能は、ユーザーの入力負担を減らすだけでなく、キャリア情報の透明性を高める点で意義がある。スキルや実績を簡潔に可視化できるため、ビジネスの出会いが成果につながる機会を広げることが期待される。
採用担当者にとっても候補者の特性を迅速に把握できる点は大きなメリットと言える。

一方で、AIが生成する文章の精度や表現の妥当性は課題として残る。
自動生成文が実際の経歴と乖離する場合、ユーザーの印象を誤って伝える可能性がある。AIが参照する情報範囲やアルゴリズムの透明性が今後の信頼性向上の鍵を握るだろう。

また、キャリア情報がより多くの場面で共有されるようになることで、データ管理やプライバシー保護の重要性も一層高まる。Sansanが掲げる「出会いからイノベーションを生み出す」理念を実現するためには、AI利用の利便性と安全性の両立が求められるだろう。

今後、EightのAIが個人の強みを客観的に分析し、キャリア形成を支援する方向へ発展する可能性もある。名刺アプリが単なる連絡ツールから、自己理解と成長を促すプラットフォームへ進化する動きとして注目される。

Sansan　ニュースリリース：https://jp.corp-sansan.com/news/2025/1006.html