コンヴァノ、ビットコイン投資累計104億円超 財務補完計画進展

2025年9月30日、東証グロース上場のコンヴァノはビットコインを追加購入したと発表した。
今回の取得により累計投資額は104億円を超え、長期計画「21,000ビットコイン財務補完計画」の初期段階が進展した形となる。
コンヴァノ、追加購入で累計605BTCを保有へ
ネイルサロン「FASTNAIL」を展開するコンヴァノは、29日と30日にビットコインを連続購入し、計85.8281BTCを取得した。
1BTCあたりの平均購入単価は1,697万5,792円となる。
調達資金として第4回普通社債による3億9,700万円に加え、自己資金10億6,000万円を充当した。
この結果、同社が保有するビットコインは合計605.7535BTCに達した。
累計購入金額は104億円を超え、平均取得単価は1,718万6,029円となる。
コンヴァノは、2027年3月末までに2万1,000BTCの保有を目指す「コンヴァノ21,000ビットコイン財務補完計画」を公表済みだ。
9月2日にはその計画を基に、25億円規模の社債資金をビットコイン購入に充てる決議を下した。
今回の購入はその第一段階にあたり、今後も継続的な取得が見込まれる。
コンヴァノは暗号資産関連の新規事業も展開中で、8月にはステーブルコイン(※)事業への参入を決定し、国内取引所を運営するフィンクス・ジェイクリプト社との協業を前提に開発を進めている。
さらに、英領バージン諸島に100%子会社を設立し、暗号資産事業を海外展開する計画も発表済みだ。
※ステーブルコイン:法定通貨などに価値を連動させることで価格の安定性を確保した暗号資産。送金や決済手段として活用されるケースが多い。
大胆な暗号資産戦略、収益強化かリスク増大か
今回の追加購入により、コンヴァノは国内小売企業の中でも大きな規模でビットコイン投資を進める企業となった。
資産価値の上昇が続けば大きな収益源となり、株主還元や事業拡大に直結する可能性がある。特にステーブルコイン事業や海外子会社との連動によって、金融領域への進出も現実味を帯びてきた。
一方で、暗号資産の価格変動リスクは依然として高い。直近のビットコイン価格は1,700万円前後で推移しているが、短期間で数十%の変動を見せることも珍しくない。
巨額の投資を行うことで資金繰りや財務健全性に影響が及ぶ懸念もある。
また、国内外の規制環境の変化も見逃せない要素である。金融庁の監督強化や国際的な暗号資産規制の進展次第では、事業計画の修正を迫られる場面も出てくるだろう。
とはいえ、成長市場への早期参入が競争優位を生む可能性はあり、コンヴァノの戦略は投資家や業界関係者の注目を集めている。











