国内5G契約数が4Gを超え、世代別で最多に

2025年9月26日、総務省は令和7年度第1四半期の電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データを公表した。調査によると、5G契約が4Gを初めて上回り、移動系通信の世代別契約数で最多となったことが明らかになった。
5G契約1億1571万件、4Gを初めて上回る
総務省の発表によると、国内の移動系通信契約数合計は2億2550万件となり、そのうち5G契約が1億1571万件に達した。前期比では3.3%増、前年同期比では17.9%増となり、4Gの1億1151万件を初めて上回った。
4Gは前期比で1.1%減、前年同期比で4.7%減と減少傾向が鮮明になった。3G契約は432万件で前年同期比35%減、前期比14%減と急速に縮小している。
3Gサービスは国内でNTTドコモのみが提供しており、2026年3月末に終了予定である。
一方、BWA契約は9310万件で堅調に推移し、前期比1.7%、前年同期比5.3%の増加を示した。MVNO(※)の契約数も3940万件と前期比3.7%増、前年同期比では19.9%増を記録している。
事業者別シェアでは、NTTドコモが33.6%、KDDIが26.4%、ソフトバンクが19.2%、楽天モバイルが3.3%となった。MVNOを含めた場合、ドコモ39.9%、KDDI31.2%、ソフトバンク24.7%、楽天モバイル4.1%である。
SIMカード型MVNOの契約では、IIJが23.2%、オプテージ8.0%、旧NTTレゾナント系6.6%、NTTコミュニケーションズ4.9%、富士通4.5%のシェアとなり、安定した利用状況が見て取れる。
※MVNO:自社で通信網を持たず、他社回線を借りてサービス提供する事業者。mineoやIIJなどが代表例。
5G拡大で通信利便性向上も、格差や料金面に課題
今回の結果は、5Gへの移行が国内通信市場で現実のものとなったことを示している。
5G契約が4Gを超えたことで、ユーザーは動画配信やVR/AR、クラウド活用などの高帯域サービスを快適に利用できるようになる。
ビジネスシーンでも低遅延通信によるリモート作業やIoT活用が加速し、デジタル化の推進力となる可能性が高い。
一方で、5G対応端末や料金プランのコストは依然として4Gより高額であり、消費者にとって経済的な負担となりやすい。
また、地方や過疎地での5G基地局整備は進んでおらず、都市部と地方の通信環境格差が広がるリスクもある。
MVNO契約数の増加は料金競争や選択肢拡大につながるが、通信速度や安定性の差はユーザーの満足度に影響するため、利用者は注意が必要だ。
事業者間の競争は今後も続くが、5G普及の波に乗り遅れるとサービス面での不利が生じる可能性もある。
将来的には、6Gを見据えたネットワーク整備や、AI・IoTとの連携による通信サービスの高度化が見込まれる。高速通信の恩恵を最大化するためには、料金面や端末環境の改善、地域間格差の是正が課題として残ると言える。











