LYPプレミアムにAI特典追加 LINEヤフー、使い放題プランも提供開始

2025年9月10日、LINEヤフーは月額制サービス「LYPプレミアム」の会員特典に「LINE AI サービス」を追加したと発表した。
国内向けの施策で、会員は日常的に疑問解決や画像生成にAIを活用できるようになる。さらに月額750円の使い放題プランも開始された。
LYPプレミアム会員にAI機能を1日10回まで提供
LINEヤフーは、月額508円の「LYPプレミアム」(※)会員向け特典に「LINE AI サービス」を追加した。
新たに導入された仕組みにより、同サービスの中核である「LINE AI」や「LINE AI トークサジェスト」を、会員は1日あたり各10回まで利用できるようになる。これにより、疑問への即時回答や文章生成、トーク内容の提案など、多様な場面でAIが活用可能となった。
一方、非会員の場合も1日あたり各機能を3回までは無料で利用できる。
ただし、キャラクターとの対話を可能にする「AI Friends」は特典対象外であり、利用範囲には一定の制約が残る。
さらに、AI利用の需要拡大を見据えた新プラン「LINE AI サービス使い放題プラン」が月額750円で提供開始された。これに加入すれば、利用回数の制限は撤廃され、生成AIを日常業務や趣味に幅広く活用できる。
これまで「LINE AI トークサジェスト」は試験的に「LINEラボ」で機能をONに設定した一部ユーザーに限定されていた。しかし、最新バージョン「15.14.0」からは誰でもトーク画面で利用可能となり、AIサービスの裾野が一気に広がることになる。
※LYPプレミアム:LINEヤフーが提供する月額制会員サービス。PayPayポイント還元やクーポン、LINE関連機能の特典が含まれる。
AI利用の拡大が示す可能性と懸念点
今回の施策により、国内最大規模のコミュニケーションアプリに生成AIが本格導入されたことになる。
特に、LYPプレミアム会員に対する付加価値強化は、サブスクリプション収益の拡大につながると期待される。ユーザーにとっても、ビジネス文書の作成補助や画像生成によるSNS投稿の強化など、実用性の高い恩恵が得られるだろう。
ただし、懸念もある。
まず、AI生成コンテンツの品質や誤情報リスクは依然として完全には解消されていない。誤情報対策やデータ利用の明確化が不十分であれば、利用者の信頼を損ないかねない。
逆に、安心して使える仕組みを整えれば、生活やビジネスにAIが浸透する速度は一気に高まるだろう。
また、利用回数の拡大に伴いサーバーコストが増大する可能性もあるため、収益モデルの持続性が注視されそうだ。
一方で、「LINE AI サービス使い放題プラン」の月額750円という価格設定は、他社のAIサービスと比較して手頃であるとの見方もできる。生成AIの使い放題モデルは国内ではまだ少なく、LINEヤフーが先行者優位を得る展開が想定される。
今後、「LINE AI サービス」の成功が持続するかどうかは、AIの品質向上と透明性の確保にかかっていると言える。
AI活用の利便性とリスクのバランスをどう取るかが、今後の成長を左右するだろう。
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