ビットマイン、イーサリアム保有量で首位堅持 総資産は92.1億ドルを超える

2025年9月8日、米国上場企業ビットマインイマージョンテクノロジーズ(BitMine Immersion Technologies)は、総保有資産がおよそ92億1,000万ドル(約1.4兆円)に達したと発表した。
イーサリアム保有量は206.9万ETHを超え、世界の上場企業で首位の地位を固めている。
イーサリアム206.9万ETHを保有 資産総額は92.1億ドル超
ビットマインは、暗号資産分野の調査会社ファンドストラット共同創業者トム・リー氏が会長を務める暗号資産インフラ企業だ。
以前から大規模な暗号資産保有戦略を採っていたが、今回の発表により暗号資産市場での存在感を改めて示した形だ。
9月7日時点で同社が保有する資産は、約89億2,343万ドル相当のイーサリアム(ETH)206万9,443ETHを筆頭に、約2,056万ドル相当のビットコイン(BTC)192BTC、さらに現金2億6,600万ドルで構成されている。
世界の上場企業の中で、ETH保有量は世界1位、暗号資産全体の総額ランキングでは、ビットコインを大量に抱えるストラテジーに次いで第2位となる。
またビットマインは発表と同日に、ナスダック上場のエイトコホールディングスに対して2,000万ドルの戦略的投資を実施したと発表した。
エイトコは2億7,000万ドル規模のPIPE(※)を進めており、ワールドコイン(WLD)を主要財務資産として組み入れる戦略を採用する。
今回のビットマインの出資は、この新たな方向性を後押しする狙いがある。
エイトコのPIPEにはワールド財団やクラーケン、パンテラ、GSRといった大手投資家も名を連ねている。
※PIPE(Private Investment in Public Equity):公開企業が特定の投資家に対して新株や転換社債を私募で発行する資金調達手法。企業は迅速に資金を確保でき、投資家は割安な条件で株式を取得できる場合が多い。
戦略投資で拡大狙う 暗号資産依存のリスクも
ビットマインが大量のイーサリアムを保有している事実は、同社にとって市場での存在感を強化する大きな武器になっている。
暗号資産市場の回復局面においては、その膨大な保有分が直接的な含み益を生み出す可能性を秘めている。
さらに、エイトコへの出資に見られるように、Web3領域の成長企業とのネットワークを拡充する動きは、単なる資産運用にとどまらず、事業ポートフォリオの多角化にも寄与している。
しかし一方で、イーサリアム価格が大幅に下落すれば、総資産額は急速に目減りし、評価損が経営の不安定要因となるだろう。
ビットコインの保有量がごくわずかであることも、資産の分散性に欠けるという弱点を抱えている。
今後のビットマインの動向は、暗号資産市場全体のトレンドに強く依存すると考えられる。
イーサリアムが今後のアップデートやレイヤー2の普及によって利用基盤を拡大させるならば、同社の資産価値も一段と高まる見通しだ。
また、エイトコへの出資を契機に、ワールドコインのような実験的プロジェクトに積極的に関与していくことも期待される。
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