Meta、「Threads」で長文投稿を解禁 最大1万字の添付機能を導入

2025年9月4日(米国時間)、米Metaはテキスト共有アプリ「Threads(スレッズ)」において、最大1万字の長文テキストを投稿に添付できる新機能を導入したと発表した。
従来の制限を大幅に拡張し、クリエイターや一般ユーザーがより自由に情報発信できる環境を整えた。
「Threads」で長文テキスト投稿が可能に
Metaが展開する「Threads」は、これまで最大500文字の短文投稿に限定されてきた。しかし、今回のアップデートにより、最大1万字の長文を添付できる仕組みが導入された。
ユーザーは新規投稿画面で画像やGIFと並ぶアイコンを選択し、専用のテキスト作成画面を開いて文章を入力する。投稿時にはフォントを太字や斜体に切り替えられるなど、表現の幅も広がった。
この機能は、クリエイターの利用体験を改善する狙いがある。
小説やニュースレターといった長文コンテンツを公開する作家やジャーナリストは、Threads上で活動を手軽に発信し、ファンを直接獲得できるようになる。
さらに、添付テキスト内には外部リンクを挿入できる。書籍の試し読みや記事のプレビューを提供し、全文や購入ページへ誘導するといったマーケティング利用も可能となった。
Metaによると、これまでも利用者は記事やポッドキャストの書き起こしをスクリーンショットとして投稿し、感想や議論を展開するケースが多かった。今回の導入は、共通の興味を持つユーザーやクリエイターがThreads上で交流し、新しい視点やアイデアを共有することで、コミュニティをより活発なものにすることを目的としている。
長文解禁がもたらす波及効果と懸念点
長文投稿の解禁は、SNSにおけるコンテンツ表現の可能性を広げると同時に、Metaのプラットフォーム戦略にとって重要な意味を持つ。
従来の短文中心のSNSは、速報性や拡散力に強みがある一方、深みのある議論や知見の共有には限界があった。今回の拡張により、研究者やクリエイターが詳細な分析やストーリーを一つの投稿に収め、議論を深める場としてThreadsを活用する余地が広がる。
一方で、1万字というボリュームは読者の負担を増やすリスクも孕む。
長文が氾濫すればタイムラインの可読性が下がり、ユーザー離れを招く可能性も否定できない。また、広告収益モデルやアルゴリズムの設計において、短文と長文をどう共存させるかは課題となる。
それでもMetaにとっては、差別化戦略の一環として重要である。
X(旧Twitter)や他のSNSが短文や動画を中心に展開するなか、Threadsが「長文を生かしたコミュニティ形成」という新たな軸を打ち出せば、知識共有や専門的対話を求めるユーザー層を取り込める。特にビジネス、教育、出版といった分野では強力な発信ツールとなり得る。
長文機能が成功するかどうかは、ユーザー体験の最適化とコンテンツの質の担保が、機能定着の成否を左右すると考えられる。
最終的には、ユーザーが「読む価値がある」と感じるエコシステムを築けるかどうかが勝負の分かれ目になると予測される。