ビットコイン保有の上場企業、半年で80社から150社超に 総量100万BTC突破

2025年9月4日、ビットコイントレジャリーズの最新データによると、世界の上場企業が保有するビットコイン総量が100万BTCを超えた。
半年前の約80社から150社以上に急拡大しており、米国や日本を含む企業の参入が加速している。
上場企業の仮想通貨採用が半年で倍近く増加
ビットコイントレジャリーズの集計によれば、9月4日時点で上場企業が保有するビットコイン総量は100万BTCを突破した。
これはマイクロストラテジーを率いるマイケル・セイラー氏の戦略が先行事例となり、他社の参入を促した結果である。
参入企業には、米マラ・ホールディングスや日本のメタプラネット、米セムラー・サイエンティフィック、ゲームストップなどが名を連ねている。
River社によると、仮想通貨を購入する上場企業は6か月前の80社から150社を超えるまでに増加したという。
さらに、S&P500構成銘柄のうちコインベースを含む4社がビットコインを保有しており、従来一部企業にとどまっていた動きが市場全体に広がりつつある。
ビットコイントレジャリーズのピート・リッツォ社長は「機関投資家のビットコイン採用はまだ初期段階にある」との見方を示した。
一方で、米インフォメーション紙は4日、ナスダックが仮想通貨保有企業への監督を強化する新体制を導入すると報じた。
株主投票の義務化や詳細な情報開示要件を設け、コンプライアンス違反があれば上場廃止も検討する内容である。
企業の長期戦略進展と監視強化のせめぎ合い
今回の動きは、ビットコインが企業財務戦略の一部として定着し始めていることを示すものだと考えられる。
特に、資金調達済みの大部分をまだ投入していない企業が多い点は、今後さらなる買い増しの余地を示唆していると言える。
長期的に価格変動リスクを吸収しつつ、資産分散を強化できる点はメリットだろう。
一方で、規制当局の監督強化は不確実性を増す要因になり得る。
ナスダックの新ルールは投資家保護を狙う一方で、企業にとっては開示義務の拡大や上場維持のハードル上昇につながりかねない。
加えて、取引所の監視強化により調達期間が長期化し、資金流入に遅れが生じるリスクもある。企業によるビットコイン保有は今後も拡大する見通しだが、そのスピードは規制当局の姿勢や市場環境に大きく左右されると考えられる。
投資家は、新たな資産クラスとしての定着と、制度的リスクの両面を注視する必要がありそうだ。