Zoffのインターメスティック、メガネスーパーのHorus HDを傘下化 国内600店超の巨大チェーン誕生

2025年9月2日、メガネ店「Zoff」を展開するインターメスティックが、「メガネスーパー」を展開するHorus HDの全株式およびHorusの株式を取得すると発表した。
取得価額は約190億円で、10月1日に株式譲受が予定されている。
インターメスティックがHorus HDグループを完全子会社化
インターメスティックは、全国317店舗を展開する「Zoff」と、全国300店舗を展開するHorus HDグループを統合し、国内で600店舗を超えるメガネ小売チェーンを形成することになる。
両社の店舗は地域的に重複が少なく、既存店舗の退店リスクを抑えつつ、商圏拡大を実現できる点が大きな特徴である。
Horus HDグループは「メガネスーパー」を中心に展開しており、コンタクトレンズ販売に強みを持つ。ECを含めたコンタクト売上高はメガネ売上高を上回り、若年層をメインに定期便比率70%超の顧客基盤を有する。
このため、インターメスティックの顧客層と重なりが大きく、クロスセルなどの事業シナジーが期待されている。
2025年4月期のHorusの連結業績は、売上高が前期比4.1%増の281億8600万円、営業利益は18億5200万円と黒字転換を果たした。経常利益と当期純利益もそれぞれ黒字化しており、財務基盤の安定性が確認できる状況だ。
株式取得の内訳は、Horus HDが約167億2600万円、Horusが約23億5300万円で、アドバイザリー費用は概算で4000万円に上る。これにより、両社の統合体制は2025年10月1日から本格的に稼働する予定である。
買収による市場拡大と顧客基盤強化の波及効果
今回の買収により、インターメスティックは既存のZoffブランドとHorus HDの「メガネスーパー」を融合させ、全国規模での販売力を一段と強化できる見通しである。
特にEC販売やコンタクトレンズの定期購入モデルに注力することで、安定的な収益確保と顧客ロイヤルティ向上が期待される。
また、若年層を中心とした顧客基盤を活かし、クロスセルや新商品展開を進めることで、ブランド間の相乗効果を引き出せる可能性がある。地域的重複が少ないため、店舗運営の効率化や物流コストの最適化も図りやすい。
一方で、両社のシステム統合やブランド戦略の調整にはリスクも伴う。
特に、既存顧客の混乱や従業員の適応が課題となる可能性があり、これを乗り越えるにはブランド価値を維持しつつ顧客接点を最適化することが重要となるだろう。
今後は、国内市場でのシェア拡大に加え、デジタル販売や定期購入サービスのさらなる強化が成長戦略の軸となると考えられる。
統合によるスケールメリットを活かしつつ、新たな市場機会への迅速な対応が、企業競争力のカギとなるだろう。