シャープリンク、イーサリアム保有数83万7,230ETHに拡大 追加購入で評価額5,356億円超

2025年9月2日、米ナスダック上場のシャープリンクゲーミング(SharpLink Gaming)は、暗号資産イーサリアム(ETH)の追加購入を発表した。
累計保有数は83万7,230ETHに達し、評価額は約36億ドル(約5,356億円)となった。
シャープリンク、ETH追加購入で世界2位の保有企業に
シャープリンクはスポーツベッティングやオンラインカジノ事業者向けのマーケティング支援を手がける米国企業である。
今回の発表によれば、シャープリンクは8月25日から31日の期間に1ETHあたり4,531ドル(約67万円)の平均購入価格で、3万9,008ETHを購入した。
また、同社はすでに6月からステーキング(※)を開始しており、累積で2,318ETHの報酬を得ている。
これにより総保有数は83万7,230ETHに拡大し、評価額は36億ドルを突破した。
上場企業によるイーサリアム保有数ランキングでは、米NYSEアメリカン上場のビットマインイマージョンテクノロジーズに次ぐ第2位に浮上している。
なお、首位のビットマインは186万6,974ETHを保持し、その評価額は約81億ドル(約1.2兆円)に達する。
シャープリンクでは、7月には米資産運用大手ブラックロック出身のジョセフ・チャロム氏が共同CEOに就任していた。
チャロム氏はブラックロックで20年以上にわたりデジタル金融の革新を牽引し、同社がスポンサーを務めるイーサリアム現物ETF「iShares Ethereum Trust(ETHA)」の立ち上げにも関与した実績を持つ。
こうした経営陣の強化は、シャープリンクの戦略的な資産保有方針と連動していると見られる。
※ステーキング:暗号資産をネットワークに預け、取引承認やブロック生成に参加することで報酬を得る仕組み。
企業によるETH大量保有、価格安定要因かリスク要因か
シャープリンクの積極的なETH買い増しは、市場に複数の影響を及ぼす可能性がある。
まずメリットとして、上場企業が安定的に保有することで、流動性や価格の信頼性を高める効果が期待される。
特にイーサリアムはDeFiやNFT、ゲームなど幅広い用途に利用される基盤であり、企業による長期保有はネットワーク全体の信用力強化につながるだろう。
一方で、特定企業や団体に保有が集中するリスクも無視できない。
大規模な売却が行われれば価格に大きな変動を引き起こす懸念がある。また、企業戦略や経営陣の交代が資産運用方針に影響を及ぼす可能性も高い。
さらに、ブラックロック出身のチャロム氏の就任は、シャープリンクが従来のマーケティング事業を超え、金融資産の戦略的保有を強化する方向性を示している。
これにより、同社がETHの機関投資家市場において重要なプレーヤーとなる可能性も浮上している。
ただし、規制当局の動向や市場環境の変化次第では、今後の展開に不透明感が残るといえる。
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