世界の生成AIサービス、米中が独占 韓国発サービスは「トップ100」から消滅

2025年8月27日、米国の大手ベンチャーキャピタルa16zが「生成AI消費者アプリケーション・トップ100」の調査結果を発表した。
韓国メディア「KOREA WAVE」によれば、米国と中国の企業が世界の生成AI市場を独占し、韓国企業は最新ランキングから姿を消したことが明らかになった。
米中企業がAIランキングを独占、韓国勢は消滅
米国の大手ベンチャーキャピタル、アンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)が発表した「生成AI消費者アプリケーション・トップ100」において、米中企業の存在感が際立った。
ウェブ部門ではオープンAIの「ChatGPT」が1位、グーグルの「Gemini」が2位を獲得した。
イーロン・マスク率いるX(旧ツイッター)の「Grok」も急速に利用者を増やし、ウェブ4位、アプリ23位に入った。
本ランキングは世界的なトラフィックを基準に、上位50のウェブサービスとアプリを年2回選定する仕組みである。
今回の調査で特筆すべきは、中国企業の躍進だ。
ウェブ部門では「ディープシーク(DeepSeek)」(3位)や「ドゥバオ(Doubao)」(12位)、「キミ(Kimi)」(17位)、「チューウェン3(Qwen3)」(20位)などが上位に食い込んだ。
動画生成モデル分野でも、中国は人員規模と著作権規制の緩和を背景に優位性を示している。
アプリ分野ではさらに存在感が増しており、上位50のうち22が中国発アプリとなった。
美図(Meitu)は写真・動画編集アプリだけで5つがランクインし、バイトダンス(ByteDance)も複数のAIアプリを展開している。
これに対し、韓国企業は一つもランク入りせず、ランキング常連の「オールスター企業」14社も米国・英国・豪州・中国・フランスに集中している。
資本力と言語の壁 韓国AIが直面する課題
韓国発の生成AIサービスがランキングから姿を消した背景には、資本力やグローバル展開力の差があると考えられる。
韓国の大手IT企業やスタートアップは韓国語に依存したサービス提供にとどまり、英語圏や中国語圏のように広範囲で利用者を獲得する力に欠けている。
米中の巨大テック企業と比較すると、資金力やインフラ面でも大きな開きが存在している。
また、米国はベンチャー投資環境が整い、企業の成長を後押しする仕組みが強固だ。
中国も国家レベルでAIを戦略産業と位置づけ、法制度や研究開発投資を後押ししている。
一方で韓国は国内市場に依存する構造が強いため、国際競争力を持つAIサービスの育成に出遅れていると言える。今後、韓国がグローバル市場で再び存在感を示すためには、英語を含む多言語対応や国際的なユーザー基盤の獲得が不可欠だろう。
同時に、資本調達と研究開発投資の拡充、海外企業との連携強化も求められそうだ。
こうした取り組みが進まなければ、韓国のAIサービスは今後も「国内専用」にとどまり、世界市場での競争力を高められない可能性がある。