Yahoo!リアルタイム検索が新機能 生成AIで「SNSのバズまとめ」開始

2025年9月2日、LINEヤフーは「Yahoo!リアルタイム検索」で新機能「SNSのバズまとめ」を提供開始した。
生成AIを活用し、X(旧Twitter)のトレンド投稿を分析して要約を自動生成する仕組みで、ユーザーは話題の背景や反応を効率的に把握できるようになる。
生成AIがXのバズを要約 背景や反応をまとめて提示
LINEヤフーは「Yahoo!リアルタイム検索」において、SNS上の盛り上がりを迅速に把握できる新機能を導入した。
名称は「SNSのバズまとめ」で、Xにおける投稿数が一定水準を超えたトピックを抽出し、生成AIがその内容を分析する。
出来事の経緯や背景、さらにユーザーの反応が簡潔に整理される仕組みだ。
ユーザーは単にテキストの要約を見るだけではなく、関連する投稿一覧や、Xに掲載された画像や動画も一緒に閲覧できる。これにより、数字や文章だけでは伝わりにくい空気感や現場の雰囲気を直感的に確認可能になる。
対応範囲は広く、最新ニュースやエンターテインメント、スポーツ、アニメやゲームといった人気ジャンルだけでなく、従来は埋もれがちだったニッチな話題にも及ぶ。
ユーザーは、Yahoo!リアルタイム検索のアプリ右上のメニューからアクセスでき、各トピックの詳細を効率的に追えるようになった。
情報収集の効率化進む一方で偏りの懸念も
「SNSのバズまとめ」は、利用者にとって大きなメリットをもたらす。
情報が短時間で整理されるため、急上昇ワードや世間の関心が集まる出来事を即座に把握できる。特にビジネスやメディア関係者にとって、SNSの動向を速報性高くキャッチできるのは有用であり、業務効率化にもつながると考えられる。
一方で、生成AIによる要約にはリスクも存在する。アルゴリズムがどの投稿を重視するかによって情報の偏りが生じる可能性があるからだ。例えば、少数の極端な意見が過大に取り上げられれば、実際の世論との乖離を生み出すこともありうる。
また、生成AIの要約精度についても完全ではなく、ニュアンスの切り取り方が議論を呼ぶ場面も予想される。
加えて、SNSの盛り上がりは必ずしも社会全体の関心と一致するとは限らない。
バズったテーマが一時的な話題にとどまり、深い社会的意義を持たないケースも多い。そのため、要約を鵜呑みにせず、他のニュースソースや一次情報と照らし合わせる視点が不可欠である。
今後は、ユーザーの利便性向上と情報の正確性確保を両立できるかが課題となる。LINEヤフーとしては、AIの学習精度を高めながら、偏りを最小化する仕組みの改善が求められるだろう。
「SNSのバズまとめ」が新たな情報収集インフラとして定着するかどうかは、精度と信頼性の両立にかかっていると言える。