ソニー、「ソニューム・スコア」導入 ユーザー活動に応じた報酬評価を開始

2025年8月28日、ソニーグループのブロックチェーン「Soneium(ソニューム)」が新たな報酬システム「ソニューム・スコア」を導入したことを発表した。
オンチェーン活動を可視化・評価し、限定NFTバッジの付与などを通じてエコシステム貢献を継続的に促す仕組みだ。
オンチェーン活動を評価 ソニューム・スコア始動
ソニーグループ傘下のSony Block Solutions Labsが開発するイーサリアム(ETH)のL2チェーン「ソニューム」は、28日より報酬システム「ソニューム・スコア」の導入開始を発表した。
これは、ユーザーが行うトランザクションやNFT発行といったオンチェーン活動を評価し、貢献に応じたポイントを付与する仕組みである。
従来、ブロックチェーン上の活動はブロック生成後に記録は残るものの、ユーザー貢献の可視化や永続的な評価につながりにくい課題があった。
今回導入されたソニューム・スコアは、この点を改善し、単発的なエアドロップとは異なり、継続的な関与を促進することを目的にしている。
ポイントは28日ごとに集計され、80ポイント以上の獲得者にはソウルバウンドトークン(※)形式の限定NFTバッジが配布される。
スコアは「アクティビティ」「流動性」「NFT」「ボーナス」の4分類で評価され、各活動ごとに条件を満たすことでポイントが得られる仕組みだ。
シーズン1におけるボーナススコア対象には、分散型取引所(DEX)のユニスワップやブロックチェーンゲーム「Evermoon」が含まれる。
また、AaveやVelodromeといった複数のプロトコルも対象となり、幅広いエコシステムでの活動が評価される形となっている。
※ソウルバウンドトークン(SBT):譲渡や売買ができないNFTの一種。特定の個人やアカウントに永続的に紐付けられ、アイデンティティや実績証明に用いられる。
持続的な関与促進へ Web3エコシステムに波及効果も
ソニューム・スコアの導入は、ユーザーの継続的な活動を引き出す点でWeb3の実用性を高める可能性がある。
バッジやポイントが単なる特典に留まらず、プロジェクトごとの追加インセンティブにつながることで、ユーザーの囲い込みに効果を発揮すると考えられる。
特に、従来は短期的な投機目的が中心だったL2チェーン利用において、長期的な参加を後押しする設計は注目に値する。
ユーザーが活動履歴を可視化できることは、Web3における「信頼性の証明」としても機能し、他プロジェクトのモデルにもなり得るだろう。
一方で、評価基準の透明性やポイントの付与条件がユーザーにとって分かりやすく提示されなければ、不公平感を生むリスクもある。
また、NFTバッジが実際にどの程度の経済的・社会的価値を持つかは不透明であり、ユーザーのモチベーション維持に影響を与えかねない。
今後は、ソニューム・スコアと「ソニューム・コミュニティ・クエスト」との連動や、外部プロジェクトからの特典付与が進むかが焦点となりそうだ。
報酬システムがエコシステムの活性化に結びつけば、Web3領域における持続的な成長モデルとして位置付けられる可能性がある。