カナリーキャピタル、初のTRUMP現物ETFを申請 ミームコイン直接投資型

2025年8月26日、米投資会社カナリーキャピタルは、ドナルド・トランプ米大統領のミームコイン「TRUMP」に直接連動する現物ETFを米証券取引委員会(SEC)に申請した。
1933年証券法に基づく初の事例であり、従来のデリバティブ型申請とは異なる内容となる。
カナリーがTRUMP現物ETFを申請 先物未整備で承認に課題
カナリーキャピタルが申請したTRUMP現物ETFは、TRUMPトークンに完全かつ直接的に投資する設計であり、他資産との分散投資やレバレッジは行わない。
ETFの純資産価値(NAV)は毎日、TRUMPの米ドル建てパフォーマンスを参照して算定される仕組みだ。
裏付けとなるトークンは、厳格なカストディ(※)要件の下で保管される必要が生じるとみられる。
これまでにオスプレイファンドとレックスシェアーズがETF申請を行っていたが、こちらは先物やデリバティブ商品を組み込み、1940年投資会社法に基づいていた点で異なる。
今回のカナリーによる申請は、1933年証券法を根拠とした直接投資型であり、構造的な差別化が図られている。
一方で、現物ETF承認の条件としては、通常、同一資産の先物ETFが一定期間取引されている必要がある。
しかしTRUMPについては先物商品が存在せず、規制要件を満たしていない。この点がSEC承認の大きなハードルになるとブルームバーグのETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏は指摘している。
なお、ミームコインを巡っては、ドージコイン(DOGE)の現物ETFも申請中であり、SECは2025年6月にビットワイズの申請判断を延期した経緯がある。
※カストディ:証券や暗号資産を投資家に代わって安全に保管・管理する仕組み。信託銀行や専門の保管機関が担う。
TRUMP ETFがもたらす可能性 注目と規制リスクの両面
カナリーのTRUMP現物ETFは、ミームコインを対象とした初の直接投資型商品として注目を集めるだろう。
承認されれば、市場の拡大や新規投資家層の取り込みに寄与し、ミームコインの金融商品としての認知度を高める効果が期待できる。
とりわけ、政治的な話題性を持つTRUMPはブランド力が強く、ETF化が投資意欲を刺激する可能性は大きい。
ただし、規制面のリスクも無視できない。
SECはミームコインが証券に該当しない可能性を示しており、投資対象としての法的位置づけは依然として曖昧である。
TRUMP先物が存在しない状況で現物ETFを承認する前例を作るかどうかは不透明で、承認判断は長期化する懸念も残る。
さらに、市場構造上のリスクもある。
TRUMPの総供給量の大半を関連企業が保有し、今後3年間で段階的に放出される計画があることから、価格変動に対する懸念は根強い。
大口保有者の売却行動が市場に影響を及ぼすリスクをETF投資家も負うことになる。
総じて、TRUMP現物ETFは新しい資産クラスの可能性を示す一方で、規制と市場特性の双方に課題を抱えている。
今回の承認可否は、今後のミームコインETFの試金石になると考えられる。