東京都、富士山噴火に備えAI生成動画を公開 降灰被害の現実味を訴える

2025年8月22日、東京都は富士山噴火による降灰被害を想定した動画を初めて制作し公開した。
生成AIを活用して被害状況をリアルに再現し、市民に備蓄や防災意識を呼びかける内容となっている。
東京都、AI活用で降灰被害を可視化した動画を公開
東京都は22日、富士山噴火を想定した火山灰被害の啓発動画を公開した。
国の被害想定では、東京23区や多摩地域に2センチから10センチ以上の火山灰が積もり、交通機関のまひや生活インフラへの影響が避けられないとされている。
この想定を踏まえ、都は8月26日の「火山防災の日」を前に動画を制作。
生成AIを活用し、過去の火山噴火データを学習させることで、降灰による都市の混乱をリアルに再現した。
映像ではライフラインへの影響が描かれ、視聴者に現実味を持って危機感を伝える内容となっている。
動画は「Tokyo富士山降灰特設サイト」内で観ることが可能だ。
都は動画を通じて、マスクや食料の備蓄など日頃の備えが不可欠であると市民に訴えている。
AI防災動画の可能性と課題 直感的理解と信頼性確保の両立
今回のAI生成動画は、防災意識を喚起する新たな手法として、今後の活用が広がる可能性がある。
従来の資料や説明文よりも直感的に理解しやすいため、被害の深刻さを幅広い層に伝える効果が期待できる。
一方で、生成AIによる映像表現は、過度に被害を強調すれば不安をあおり、社会的な混乱を招く懸念がある。
また、実際の災害像と乖離した演出が目立てば、行政発信への信頼を損なうリスクも想定できる。
こうしたバランスの取り方は今後の大きな課題となるだろう。
将来的には、AI生成動画の活用が防災教育のあり方を変える契機となる可能性がある。
自治体単位での取り組みが広がれば、地震や豪雨、台風といった多様な災害シナリオにも応用されるとみられる。
映像による疑似体験型の啓発は、防災訓練や学校教育と組み合わせることで、従来以上に実効性を高め、社会全体の備えを底上げする方向に発展していくと考えられる。
東京都「Tokyo富士山降灰特設サイト」:https://www.fujisan-kouhai.metro.tokyo.lg.jp/
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