韓国政府、AI投資を最優先政策に 100兆ウォン基金で経済成長とAI大国へ

2025年8月22日、韓国政府は経済成長の下支えを目的に、AI(人工知能)投資を政策の最優先に据える方針を発表した。企画財政省は李在明大統領の新政権下で初の半年経済政策プランとして、AIを軸にした政策パッケージを導入すると明らかにした。
30のAIプロジェクト推進、産業から文化まで幅広く支援
企画財政省が公表したプランでは、2025年後半から30件のAI・イノベーション関連プロジェクトに関する政策パッケージを導入する。
対象分野はロボット、自動車、船舶、家電製品、工場、半導体などの基幹産業に加え、ドローン(無人機)まで含まれる。さらに「Kビューティー(韓国発の美容製品)」や「Kフード(韓国食品)」など、文化製品でもAI導入を推進する計画だ。
同省は声明で、出生率の低下による「人口ショック」が経済の構造的課題となっていると指摘。「人口ショックによる成長低下から抜け出す唯一の方法はAIへの大々的な変革だ」と強調した。財政投資や税制優遇、規制改革を組み合わせる方針である。
また、政府は民間部門と共同で100兆ウォン(約715億6000万ドル)規模の投資基金を創設する。戦略分野に資金を重点投入し、韓国を世界トップ3のAI大国へ押し上げる狙いだ。今回のパッケージは潜在的な経済成長率を押し上げることを目的としているという。
AI先行投資の効果とリスク 成長加速と競争激化の両面
今後の展開としては、韓国が政策資金をいかに実効性ある成長エンジンに変換できるかが焦点になると考えられる。
もし産業横断的にAIの活用が進み、輸出分野と文化産業の双方で成果が現れれば、韓国は国際的なAI競争において存在感を強めるだろう。特に、国策としての資金投入と規制緩和が相乗効果を発揮すれば、AIスタートアップの育成や新市場の開拓が加速するかもしれない。
ただし、過度な国家主導は市場の柔軟性を損ねる可能性もある。そのため、政府主導の資金配分と民間の自律的イノベーションをどう両立させるかが重要になるだろう。
短期的には景気下支えとして機能するが、中長期的には成果の偏りや資金の非効率利用が課題として浮上しそうだ。
結局のところ、韓国がAI投資を通じて「世界トップ3のAI大国」という目標に到達できるかは、政策の持続性と産業界の実行力次第であると考えられる。