ゲーム制作AI活用、ユーザーの66%が「期待」 懸念は仕事喪失や著作権問題

2025年8月14日、国内大手攻略サイトを運営するゲームエイトは、生成AI活用に関する意識調査の結果を公表した。
調査対象は「Game8」ユーザーを中心とするゲームプレイヤーで、約66%がAI活用に期待を示す一方、仕事喪失や著作権侵害といった懸念も一定数確認された。
ゲームユーザーの約66%がAI活用に期待を示す調査結果
ゲームエイトが14日に発表した調査によると、ゲーム制作・運営における生成AI活用について「非常に期待している」と回答したのは29.76%、「やや期待している」は36.10%で、合わせて約66%が期待を表明した。
これに対し「どちらでもない」は18.54%、「やや懸念している」12.2%、「非常に懸念している」3.41%だった。
期待項目では「ゲームの品質向上」が43.90%で最多となり、次いで「開発効率化による新作リリース増加」(28.29%)、「新しいゲーム体験の創出」(27.32%)、「最適化されたゲーム体験」(25.85%)が上位に並んだ。
年代別では10代・20代の約60%が「品質向上」を重視し、特に10代は「最適化されたゲーム体験」への期待が46.94%に達した。
40代以上も「品質向上」が41.51%で最多だったが、他世代に比べ全体的に期待割合は抑制的であった。
懸念事項では「クリエイターの仕事が奪われる」が33.17%で最も多く、「著作権・肖像権侵害」(31.22%)、「ゲームの魂や人間性の喪失」(30.73%)が続いた。
「AI生成コンテンツの品質低下」(22.93%)や「不適切なコンテンツ生成の可能性」(21.95%)も挙げられ、AIによる影響への懸念が幅広く示された。
AI導入は期待と懸念が併存 創造性との共存が焦点に
今回の調査結果から、ユーザーの多くがAIに前向きな期待を寄せつつも、仕事喪失や権利侵害といったリスクを意識している姿が浮き彫りになった。
特に「品質向上」や「効率化」といった期待は、ゲーム体験の安定や新作の増加といった利用者メリットにつながる可能性が高い。
開発現場でAIが補助的役割を果たすことで、作業負担軽減や新しい企画の実現が促進される可能性もある。
一方で、職域の縮小や創造性の喪失といった懸念は、開発者やクリエイターの立場から見れば深刻な問題となり得る。
AI導入が単なるコスト削減に終始する場合、人材流出や文化的価値の損失を引き起こす可能性も否定できない。
また、著作権やコンテンツの安全性といった法的・倫理的課題は、利用拡大に伴い強まることが予想される。今後の展望としては、AIの導入を通じて新しい表現領域を切り開くと同時に、人間の創造性を守る枠組みを整備することが求められる。
期待と懸念が併存する中で、両者をどう調整していくかが業界全体の課題となるだろう。