小学生の読書感想文、AI活用は6割超が抵抗感　親の多くは利用避ける傾向

2025年8月13日、株式会社DeltaXは塾選びサービス「塾選」を通じて「小学生の読書感想文」に関する調査結果を発表した。
調査対象は小学生の子を持つ保護者100名で、65％が手助けしている一方、AI活用には6割以上が抵抗を示した。

保護者の半数超が感想文を支援、AI利用には抵抗感強く

調査は2025年6月にインターネットを通じて実施され、100名の保護者から有効回答を得た。「子供の読書感想文を手伝ったか」との設問では65％が「はい」と回答し、多くの家庭で親の関与が行われていることが明らかになった。
具体的な支援内容では「誤字脱字や表現のチェック」が58.5％で最多、次いで「構成のアドバイス」や「感想を引き出す質問」が49.2％となった。

また、「子供が選んだ本を読んだか」という質問には51％が「はい」と答え、親子で読書体験を共有する傾向が示された。
読書感想文を書き終えるまでの日数は「2〜3日」が33％で最多、「4〜5日」「6〜7日」が各21％だった。

AI活用については「使ったことがなく抵抗がある」が53％、「使ったことはあるが抵抗感がある」が12％で、合わせて65％が否定的な姿勢を示した。
実際に「AIを参考にした」との回答は5％にとどまり、代わりに「書き方の本」（38％）や「インターネット記事」（32％）が参考先として多く挙げられた。

さらに、保護者が子供の課題点としてあげたのは「何を書けばよいかわからない」「書き方がわからない」「本を読むのが苦手」などであった。
これに対して、問いかけや構成の提示、メモの活用などを工夫する様子が確認された。

AI活用を巡る是非　表現力育成と効率化の両立が課題

今回の調査は、読書感想文に対して保護者が積極的に関与する実態を浮き彫りにしたと同時に、AI活用に対する抵抗感の強さを示している。
多くの家庭で親子の共同作業が行われていることは、子供に安心感を与える一方で、自発的な思考をどこまで促せているかという点においては、課題を残すと思われる。

AIを用いれば感想文の構成や表現の手助けが可能となり、子供の負担を軽減できる利点がある。
しかし、過度に依存すれば「自分の言葉で考える」経験が希薄になり、表現力や論理的思考力の育成機会が失われる懸念もある。

一方で、構成のヒントや参考程度に限定した利用であれば、子供の学習を補助する役割を果たす可能性もある。
教育現場や家庭が今後模索すべきは、AIの利便性を取り入れつつ、学習の本質を損なわないバランスの確立だと考えられる。

読書感想文は単なる課題ではなく、子供が自分の感情や考えを言葉に変える訓練の場である。
その意義を維持しながら、AIとの共存をどう進めるかが今後の焦点になるだろう。