DeNA、全社のAIスキルを評価する指標「DARS」を導入開始 AIネイティブな組織へ向けた一歩

2025年8月6日、株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)は全社のAIスキルを評価する新たな指標「DeNA AI Readiness Score(DARS)」を導入すると発表した。
従業員や組織のAI活用状況を定量的に把握し、AIネイティブな企業への変革を加速する狙いである。
DARS導入でAI活用レベルを可視化 従業員のスキル向上を支援
DeNAはAI活用を推進する「AIオールイン」宣言に基づき、全社のAI活用状況を評価する指標「DARS」の導入を決定した。
DARSは従業員個人および部署・チーム単位でのAI活用レベルを測るため、半年ごとの評価サイクルに基づいて可視化する仕組みである。これにより従業員は、自分のAIスキルがどのレベルに位置しているかを明確に認識できるようになる。
さらに、個々のスキル向上を促すため目標設定を行い、AI活用の底上げを図る。
この取り組みは、DeNAが目指すAIネイティブな企業文化醸成のための一環である。
DARSが加速するAIネイティブ化の道、社員の成長と企業力向上に期待
DARS導入によるAIスキルの可視化により、従業員一人ひとりが自分のスキルレベルを認識でき、成長の道筋が明確になると考えられる。
自己認識が深まれば、個々のスキルも向上し、全社的なAI活用の底上げにつながるだろう。また、部署やチーム単位でも評価されることは、チームワークを重視したAI活用が進む可能性が高く、組織全体の協力体制を強化する効果も期待できる。
また、AI教育プログラムや研修の充実にもつながる可能性がある。
社員が自分のスキルを数値化することで、どの分野においてスキル強化が必要かが明確になり、より効果的な教育方針が立案されるだろう。
このようなデータ駆動型の教育戦略は、他企業の模範となり、業界全体のAI活用の推進に貢献するかもしれない。
一方で、DARSの導入にはリスクも伴うだろう。
従業員が自己評価を通じて自分のスキルの低さに気づき、プレッシャーを感じる可能性も否めない。特に、AIに対する知識や経験が浅い従業員にとっては、評価のサイクルがストレスとなり、成長への意欲を削ぐ結果になるかもしれない。
総じて、DARS運用の成否は、評価基準の適切さと運用方法にかかっていると言えそうだ。
過度な評価基準が従業員にプレッシャーを与えないよう、適切な仕組みの構築が求められる。
柔軟なサポートを通じて成長を促進できれば、DeNAはAIネイティブな企業文化の確立を加速できるだろう。