グーグル「NotebookLM」、13歳以上が利用可能に 教育向けWorkspaceにも追加

2025年8月4日、米グーグルはAIサービス「NotebookLM」の利用対象を拡大し、13歳以上のユーザーにも提供を開始したと発表した。
併せて、教育機関向け「Google Workspace for Education」のコアサービスにも追加され、学校での利用が可能になる。
NotebookLM、年齢開放と学校導入で学習活用を強化
グーグルは、これまで18歳以上を対象としていたAIサービス「NotebookLM」(※)を、13歳以上のユーザーにも利用できるよう仕様を変更した。
対象拡大にあたり、18歳未満には不適切または有害とされる情報を遮断するため、より厳格なコンテンツポリシーを適用する。
NotebookLMは、ユーザーがアップロードした資料やノートをもとに、重要ポイントを音声で要約する「ポッドキャスト要約」や、情報を視覚化するマインドマップ生成、出典情報を踏まえた質問応答などの機能を備える。
さらに、未成年ユーザーの利用に際しては、チャット履歴や資料データが人間によるレビューやAIモデルの学習に使われない仕様となっており、プライバシー保護が徹底される。
グーグルは、低年齢層のユーザーが学習や研究、授業内容の理解を深めるためのツールとしても活用できるようになったと説明している。
同日、NotebookLMは「Google Workspace for Education」のコアサービスにも正式追加された。これにより、13歳未満の児童でも、学校がWorkspaceを導入していれば利用が可能となる。
※NotebookLM:グーグルが提供するAIノートアシスタント。アップロード資料やオンライン情報をもとに、要約・質問応答・視覚化などを行うツール。
教育現場での普及拡大とAIリテラシー向上の可能性
教育現場でのNotebookLM活用は、学習効率化と個別最適化を加速させる可能性が高い。
中高生や大学生が要約やマインドマップ生成を授業や課題に直接組み込めれば、理解度向上や主体的学びの促進につながるだろう。
教員にとっても、授業準備の負担軽減につながり、AI活用の裾野拡大が期待される。
未成年利用時のコンテンツフィルタリングやデータ利用制限により、安全性とプライバシーが一定水準で確保される点も評価できる。
一方、AI生成情報の正確性やバイアスの問題は依然として残る。
特に未成年は、情報の真偽を判断する経験が乏しいため、誤情報を無批判に受け入れるリスクがある。教員側のAIリテラシー不足や、過度な依存による思考力低下の懸念も無視できない。
今後の普及は、AIリテラシー教育と不可分であると考えられる。学校単位での導入が進めば、日常的にAIと接しつつも、批判的思考を養う機会が広がるだろう。
同時に、地域や学校間の活用格差、学習データ利用の透明性といった課題にも対応が求められそうだ。
総じて、教育分野でのAI普及は、技術進化と倫理的配慮の両立が鍵となる見込みだ。