日鉄ソリューションズ、AI活用Collateで企業データ資産管理とDXを支援

2025年8月5日、日鉄ソリューションズ株式会社(NSSOL)は、米Collate社と国内初の代理店契約を締結し、データ資産管理プラットフォーム「Collate」の提供を開始した。
企業のデータ利活用を加速させる新たな基盤として注目できる。
NSSOL、データ資産管理SaaS「Collate」の国内提供を開始
NSSOLは、米Collate社のData Intelligence Platform「Collate」の提供を正式に開始した。
Collateは、分断されたデータ資産のメタデータを自動収集し、データの分類や品質テスト、ドキュメント作成などをAIエージェントが支援する、エンタープライズ向けのSaaS型データ管理基盤である。
このプラットフォームは、Collateが開発したオープンソース「OpenMetadata(※)」をベースに構築され、エンタープライズレベルのサポート機能や大規模運用に適した拡張機能を備える。
主な機能であるData Discovery機能では、90種以上のコネクタを活用して多様なデータソースを統合しデータカタログを提供する。
また、検索・リネージ、ダッシュボード、チャット機能などを通じて、横断的なデータ活用を可能にする。
Data Observability機能ではノーコードでの品質テストやアラート通知、原因分析をサポートする。
さらに、Data Governance機能では、メタデータの自動分類、辞書の整備、認証ワークフローによって統制強化を図る。
Collate AIという専用のAIエージェントも備えており、説明の追加、データの分類、品質テストを自律的に行い、ユーザーを支援する。
すでにCollate自体は日本語対応済みであり、Collate AIも2025年秋に日本語対応が予定されている。
※OpenMetadata:
オープンソースのメタデータ管理ツールで、データ資産の可視化や統合カタログ構築を支援する。
国内企業のDX支援に寄与 ガバナンス強化と業務効率の両立に期待
Collateの導入は、日本企業にとって喫緊の課題であるデータガバナンスと業務効率化の両立に大きな貢献をもたらすと考えられる。
多部門間で分散しがちなデータ資産を一元的に管理し、自然言語での対話やAIによる自動化を活用することで、属人性の排除とナレッジ共有の高度化が期待される。
インシデント管理やアラート機能といった実運用レベルの支援機能についても、国内のデータマネジメント水準を底上げする要素となるだろう。
一方で、SaaS基盤ゆえのデータセキュリティ対策や、既存システムとの統合コストが導入の壁となる可能性もある。
しかしNSSOLは、導入支援から運用定着までを含む包括的なサービス提供を打ち出しており、日本市場への適応に対する戦略的な備えが見て取れる。
NSSOLは今後、Collateを軸としたデータ活用基盤の普及を通じて、国内企業のDX加速と競争力向上を支援するとしている。