バンダイの「ガシャポン」、世界売上でギネス記録認定 国内シェア57%に

2025年8月1日、バンダイは「ガシャポン」が2024年度の年間売上実績により、「カプセルトイ世界売上No.1」としてギネス世界記録に認定されたと発表した。
記念キャンペーンも全国で展開されている。
バンダイ「ガシャポン」、世界売上No.1でギネス世界記録に認定
バンダイは2025年8月1日、同社ベンダー事業部が展開するオリジナルカプセルトイブランド「ガシャポン」が、「カプセルトイ世界売上No.1」としてギネス世界記録に認定されたと発表した。
認定された記録名は「最大のカプセルトイブランド(2024年度 年間売上)」である。
「ガシャポン」は2024年度、年間で2.2億個以上の商品を出荷しており、これはカプセルを縦に積み重ねた場合、地球の直径に匹敵する高さに相当するとされる。
国内カプセルトイ市場では約57%のシェアを占めており、月間120種類以上の新商品を継続的に投入している。
同ブランドは、バンダイが持つ多様なIP(知的財産)やオリジナルシリーズを活用し、幅広い年代に支持される商品展開を実現してきた。
さらに、自社開発の自販機や販売網の整備により、インフラ面からも商品展開を支えている。
ギネス認定を記念し、バンダイは8月1日から全国で各種キャンペーンを展開している。
東京と福岡の「バンダイナムコ Cross Store」では、8月発売の150種以上の商品を壁一面に展示する特設コーナーを設置した。
また、全国のガシャポンバンダイオフィシャルショップでは、「ガシャポン世界一おめでとう!」という合言葉を伝えると「ガシャポンミニポーチ」がもらえる企画や、オリジナル商品の先行販売も実施されている。
カプセルトイの価値再評価 ブランド展開とユーザー層の広がり
今回のギネス認定は、「ガシャポン」が単なる子ども向け玩具にとどまらず、大人や訪日観光客も巻き込んだ多世代型エンターテインメントとして成長を遂げた結果と捉えることができる。
最大の強みは、バンダイが有する人気IPとの連携力と、多品種・短サイクルでの投入を可能にする商品開発体制にあると考えられる。
キャラクターやシリーズをまたいだ収集要素の強さは、SNSでの投稿や共有といった行動と親和性が高く、消費行動の一因となっているとみられる。
さらに、全国展開された自販機網や体験型の販促施策も、消費者の購買行動に影響を与えている可能性がある。
近年はインバウンド需要の回復により、外国人観光客からの注目も高まっており、世界市場における今後の拡大余地も大きいと予測される。
一方で、大量生産・大量消費の側面を持つビジネスモデルであるため、環境負荷の低減やリサイクル対応など、サステナビリティの観点からの取り組みが今後の課題となるだろう。
収益性と環境配慮の両立が実現すれば、ガシャポンは“持続可能な遊び”としてさらに進化できるかもしれない。