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    FRONTEO、標的分子の探索期間を2年から2日に短縮 AI創薬で膵臓がんの標的を短期間で発見

    2025年7月23日、データ解析企業FRONTEO(東京都港区)は、独自のAI技術を用いた創薬支援サービスにより、膵臓がんの治療標的となる分子候補を従来の2年からわずか2日で特定することに成功したと発表した。
    がん細胞の増殖を抑制する一定の効果が確認されており、創薬プロセスの加速に向けた突破口として注目される。

    目次

    FRONTEO、膵臓がん標的分子をAIで短期間抽出

    FRONTEOは、自然言語処理に特化した自社開発AI「KIBIT(※)」と創薬研究者の知見を組み合わせたサービス「Drug Discovery AI Factory(DDAIF)」を活用し、膵臓がんの治療標的となる遺伝子の候補を探索した。

    この取り組みにより、従来は2年以上を要していた標的分子の探索を、わずか2日で完了させることに成功した。
    約2万あるヒトの全遺伝子の中から、17個の新規性が高い候補遺伝子を抽出し、そのうち6個の遺伝子では、がん細胞の増殖をおよそ4〜6割抑制する効果が見られた。

    特に注目すべきは、6個のうち4個の遺伝子については、過去に膵臓がんとの関連性が報告された論文が存在しなかった点である。
    残る2個も、報告例が1件のみと極めて希少で新たな治療法開発につながる可能性を秘めている。

    FRONTEOは、こうした成果を通じて、KIBITが既知の文献から未知の疾患関連情報を導き出す能力を実証した形となる。
    今後は、東京科学大学などと連携し、標的遺伝子候補のさらなる検証を進める方針だ。

    ※KIBIT(キビット):FRONTEOが独自開発した自然言語処理型AIエンジン。文献データから因果関係を読み取り、医療や法律などの領域で活用されている。

    AI創薬の進化がもたらす可能性と課題

    AIによる創薬支援は、これまで膨大な時間と労力を要していた研究工程を根本から変革する可能性を秘めている。
    特に、自然言語処理を活用して文献から因果関係を抽出する技術は、従来のヒト中心の分析では見落とされていた潜在的な治療の標的を顕在化させる点で画期的だ。

    こうした技術が広がれば、今後の創薬開発は、すべての候補を一つひとつ調べていく従来の方法から、蓄積された知識を活用して有望な手がかりを効率よく見つけ出す手法へと移り変わっていくと考えられる。

    一方で、AIの分析結果がそのまま臨床で効果を発揮するとは限らないことを意識する必要がある。
    AIが導出した候補は、あくまで仮説にすぎず、実験や検証を通じて信頼性を担保することが重要だ。
    この過程を省くことはできず、最終的に治療へとつなげるためには、研究者の専門的な判断と責任ある対応が不可欠となる。

    また、AIがもたらすスピードや新規性の追求が、既存の倫理枠組みや治験制度とどのように折り合いをつけるかも課題として残る。
    短期間で大量の候補が抽出される状況において、医療機関や規制当局が追いつけなくなるリスクも現実的に存在すると考えられる。

    AI創薬は今まさに転換点にある。期待が先行しがちな分野であるが、冷静な制度設計と科学的妥当性の担保を両立させる取り組みが、今後の鍵を握ることになるだろう。

    関連記事:https://plus-web3.com/media/latestnews_1000_4397/

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