すららネット、新AI学習サービス「Surala-i」発表 個別最適化で全児童に“できる”体験を

2025年8月4日、株式会社すららネットは、グループ会社ファンタムスティックと共同開発する次世代デジタル学習サービス「Surala-i(すららアイ)」の正式名称とブランドコンセプトを発表した。
2026年春より順次展開予定で、AIを活用した新しい学習体験を目指す。
AIで個別最適化 学年を超えた柔軟学習を実現
すららネットが、新サービス「Surala-i(すららアイ)」の名称とブランドコンセプトを公開した。本サービスは「NEOすらら」として構想されていたプロジェクトであり、同社史上最大規模となる。
Surala-iは、AIを活用したアダプティブラーニング型のICT教材(※)で、「すらら」の機能を活かしつつ、より一人ひとりの理解度や進捗に応じた、最適な学習体験を目指す。
ブランドコンセプトは「すべての子どもに、わかる・できる・たのしいを」であり、学年や学校のカリキュラムに縛られず、自分らしいペースで、主体的に学べる世界の実現が目指されている。
サービス名「Surala-i」の“i”には「I=私」「independent=自律的」「AI=人工知能」などの意味が込められている。
すららネットは、こうした仕組みにより、すべての子どもに最適な体験と学習サービスを提供するとしている。
※ ICT教材:Information and Communication Technology(情報通信技術)を活用した教育用教材の総称。
「努力が結果になる」実感重視 教育現場への普及に期待と課題
「Surala-i」の今後の成否は、教育現場での定着度とエビデンスの提示にかかっていると予想できる。
2026年春からの順次展開に向け、先行導入校での効果検証や、具体的な学力向上データの開示が信頼獲得の鍵となるだろう。とくに保護者層に向けた成果の“見える化”は、教育サービスとしての浸透を大きく左右すると思われる。
また、今後は、AI教材と教師との役割分担を明確にし、対話や伴走支援をどのように補完するかが問われるだろう。仮に、教師の関与を前提とした設計思想を明示できれば、現場の受容性は高まると見られる。
中長期的には、「Surala-i」のようなAIベースの個別最適化学習は、学校教育の“補助的役割”から“中核的存在”へと移行する可能性がある。ただし、それはテクノロジーの進化だけではなく、教育行政や政策判断、学校運営の柔軟性とセットで進行する必要があるだろう。
総じて、「Surala-i」が次世代のスタンダードとなるか否かは、技術そのものよりも、それを取り巻く社会的・制度的基盤の整備と合意形成にかかっていると考えられる。
すららネット プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000569.000003287.html