韓国GS25がAIビューティーデバイス導入 コンビニでパーソナルカラー診断

2025年7月30日、韓国のGSリテールは、コンビニGS25に「AIビューティーデバイス」を導入すると発表した。
顧客の顔をスキャンし、パーソナルカラー診断から化粧品購入までをワンストップで提供する新サービスで、年内に10店舗への展開を目指す。
AIが肌色と顔の比率を即分析 化粧品提案もその場で完結
GSリテールは、コンビニチェーンGS25に「AIビューティーデバイス」を導入し、パーソナルカラー診断(※)とスタイル提案を組み合わせたサービスを展開する。
第1号店はソウル市内のニューアンニョン仁寺洞店で、9月には江南ドンウォン店にも導入予定。年内に計10店舗までの拡大を計画している。
同デバイスは、利用者の顔をカメラで約3秒スキャンし、肌・目・唇の色を分析。さらに、明度・彩度・色温度といった情報をもとに、個別のパーソナルカラーを特定する。
診断結果に基づいて、チークやリップなどの化粧品が提案され、提携ブランド「ムシンサ ウィッチ」「ソンアンドパク ハティ」などの製品をその場で購入可能だ。
顔の輪郭や比率、目や鼻、唇といった細部の形状もAIが詳細に分析。これをもとに、メイクアップやヘアスタイル、アクセサリー選びまでを含むスタイルコンサルティングが提供される。
結果はQRコードでスマートフォンにダウンロードできる。
※パーソナルカラー診断:肌・瞳・髪の色などをもとに、その人に似合う色(服や化粧品など)を導き出す方法。季節をモチーフに「春夏秋冬」の4タイプに分類されることが多い。
化粧品選びの新基準に AI美容体験が広がる可能性と課題
AIによるビューティーサービスの導入は、これまで専門店や百貨店に限られていた診断・提案機能を、身近なコンビニで提供するという点で画期的である。
GS25の商品企画責任者であるソン・ジョンファン氏は「コンビニが単なる商品購入の場を超え、さまざまなコンテンツが詰まった生活プラットフォームへと進化できるよう、サービス商品の競争力を今後も強化していきたい」と語っている。
この取り組みには複数のメリットがある。
まず、若年層を中心としたビューティー関心層の集客力向上が見込まれ、来店頻度の増加や購買単価の上昇に寄与する可能性がある。また、AIによる高精度な分析は、従来の自己判断によるメイク選びの不確実性を軽減し、消費者満足度の向上にもつながる。
一方で、課題も少なくない。
AIの診断精度や提案内容に対する信頼性の確保が不可欠であり、肌の状態や照明環境による誤差への対応も求められる。また、プライバシー保護の観点から、顔画像の処理・保存に対する明確なガイドラインが必要とされるだろう。
今後は、韓国国内での店舗拡大に加え、同様のモデルがアジア諸国を中心に展開される可能性もある。
AIとビューティーの融合は、美容業界だけでなく、小売業全体に新たな価値軸をもたらすと考えられる。