山形の高校生がAI通じ台湾の生徒と交流 「やまがたAI部」が国際連携を強化

2025年7月29日、山形県の高校生が、部活動として人工知能(AI)を学ぶプログラムの一環で、台湾の高校生と交流した。
県内外の生徒が所属する「やまがたAI部」が主催し、グローバル人材育成を目的とした国際的な取り組みとなっている。
AI学習の部活動が国境を越え台湾生徒と交流
AIをテーマに据えた部活動「やまがたAI部」が、国際交流の舞台として機能し始めている。
やまがたAI部は、2020年に産学官の連携で発足。デジタル人材の育成を目的とし、現在は山形県内10校と県外8校から約110名が参加している。
単なる課外活動にとどまらず、実践的なAIの学習と地域を越えた連携を特徴としている。
2025年7月29日には、前年度の「AI甲子園」で入賞した台湾の高校生8人が来日。山形市の山形城北高校を訪れ、やまがたAI部の生徒らと交流した。
言葉や文化の壁を超えて、アニメや音楽といった共通の話題で親睦を深める様子が見られた。
参加した日本の高校生は「日本のアニメとか音楽とかの話をいっぱいしました。好きなものが共有できたときはすごくうれしくなります。」と語り、台湾の生徒からも「山形に来て、このように高校生と交流できることはとてもうれしいです。最初は恥ずかしかったけど、そのあとは少しずつ会話が盛り上がりました。」と前向きな声があがった。
こうした交流は、AIという共通の関心を軸に据えることで、技術的な学びと異文化理解の両立を可能にしている。
国際交流がもたらす学びの深化と将来への布石
「やまがたAI部」が進める国際交流には、AI教育の深化だけでなく、将来を見据えたグローバル人材育成という側面もあると言える。
急速に進化するAI技術の現場では、国境を越えた協働が不可欠となる時代が到来している。今回のような国際的な接点は、高校生の段階で多様な価値観に触れ、グローバルな視点で問題解決に取り組む素地を育むことにつながると考えられる。
また、地域に閉じがちな教育環境において、国際的な刺激を得られる点も見逃せない。地方の高校生が自らの活動を通じて国際社会との接点を持つことは、自信と視野の拡大を促す契機になりうる。
一方で、教育現場における国際交流は言語や日程調整などの課題も伴う。だが、デジタル技術を活用すれば物理的な距離を乗り越え、オンラインでの継続的な関係構築も可能になるだろう。やまがたAI部がこうした交流を継続・拡大することで、他地域の教育機関への波及も期待される。
今後、やまがたAI部のような地域発の教育プロジェクトが全国各地でモデルケースとして注目される可能性が高い。グローバルな人材育成という観点からも、高校段階で異文化交流と先端技術教育を融合させる試みは有効性が高いと評価されるはずだ。
AI技術が社会の基盤に深く浸透するなかで、こうした実践的な教育活動の価値は一層高まっていくだろう。
関連記事:https://plus-web3.com/media/aikousieninyamagatakaisai20250324/