松本で生成AI体験イベント開催へ 子どもの創造力育む「AIわくわくクリエイト教室」

2025年7月27日、長野県松本市で子ども向けのAI体験イベント「AIわくわくクリエイト教室」が開催される。生成AIを活用し、文章や画像を制作しながらオリジナルゲームを作る内容で、松本経済新聞が7月17日に報じている。
生成AIでゲーム制作 子どもが自由研究のヒント得る場に
「AIわくわくクリエイト教室」は、松本市大手4のコワーキングスペース「SWEET WORK」で午前10時から正午まで実施される。対象は小学3年生から中学3年生で、定員は10名。参加には事前のウェブ予約が必要で、Googleアカウントの取得と、ノートパソコンまたはタブレットの持参が条件となる。
体験内容は、文章生成や画像生成といった生成AIの基本操作を踏まえ、オリジナルのゲームづくりに挑戦するというもの。子どもたちは自分の発想を言語化し、AIに指示を出すことで、創作の過程を体感できる仕組みだ。
主催する「UseAI」は、SWEET WORKの利用者3人で今年5月に発足。AI技術の普及と活用促進を目指し、月1回の勉強会を開いてきた。
メンバーの一人である原怜磨氏は「ネット上には、AIに関する情報があふれているが、リアルな場で知見をシェアすることでより可能性が広がると考えた」と話す。今回の教室も、勉強会内で「子どもたちがデジタルに触れる機会」をテーマに議論したことがきっかけだったという。
代表の東祐太朗氏は「夏休みの自由研究のヒントになるような体験を提供したい。AIに触れたことがない子でも楽しめる内容なので、気軽に参加してほしい」と呼びかけている。
主催の東祐太朗氏は、「夏休みの自由研究のヒントになるかもしれない。これまで使ったことがないという人も気軽に参加してほしい」と語る。
AIとの創作体験がもたらす教育的効果と地域活性の可能性
生成AIを使った今回の教室は、子どもたちが単に技術を学ぶだけでなく、「つくる楽しさ」を体感する貴重な機会となる。
東氏自身も、小学3年生で初めてパソコンに触れた体験がものづくりの原点だったと語り、「今はAIと一緒に作ることができる。アイデアを形にすることの面白さ、ものづくりの楽しさを感じてもらえれば」と期待を寄せる。
こうした体験型イベントは、学校教育では触れにくい先端技術への理解を促し、創造性や論理的思考を育てる点でも意義が大きい。特に、プログラミング教育の必修化が進むなかで、AIとの協働による制作体験は学習意欲を高める効果があると考えられる。
また、地域の民間スペースを活用し、地元の有志が主導する形でイベントが企画されている点も注目される。コワーキングスペースが学びの拠点となることで、世代や分野を越えた交流が生まれ、地域活性にもつながる可能性がある。
今後は、今回の教室をきっかけに、子どもたちが日常的にAIに触れる機会が広がっていくことが期待される。自治体や教育機関との連携によって、より持続可能な取り組みに発展するかどうかが今後の鍵となる。