ソフトバンク、「satto workspace」提供 生成AIで資料作成の時間を大幅短縮

2025年7月16日、ソフトバンクは生成AIを活用してチャット形式でプレゼン資料を作成できる新サービス「satto workspace(サット ワークスペース)」を開発し、2026年春をめどに法人向けの提供を開始すると発表した。
要点を伝えるだけでAIが提案資料を作成
「satto workspace」は、業務担当者がチャットで要件や構想の概要を入力するだけで、AIが自動的に提案資料や企画書などを生成するサービスである。
AIは入力内容をもとに文脈を把握し、連携された社内データやインターネット上の最新情報から必要な材料を取得。その上で、目的やテーマに即した構成や表現に整えたスライドを短時間で完成させる仕組みだ。
複雑な情報を含むスライドにも対応し、修正指示もチャット形式で可能。利用者は従来のような資料作成の手間を大幅に削減できる。
背後には「RAG(Retrieval-Augmented Generation ※)」技術が搭載されており、あいまいな指示に対しても適切な情報を引き出す能力を備えている。
同社が3月に社内で実施したアンケートによると、社員の72.4%が1日1時間以上を資料作成に費やしているという。このデータを踏まえた上で、satto workspaceは日常業務の効率化を目指し開発された。
※RAG(Retrieval-Augmented Generation):外部データベースから関連情報を取得し、それを元にAIが文章を生成する手法。情報の正確性や網羅性の向上に寄与する技術。
生成AIの導入で生産性は向上するか 期待とリスク
satto workspaceの導入が進めば、資料作成にかかる時間と労力を大幅に削減でき、ビジネス現場における生産性向上が期待される。特に情報収集や構成検討にかかる時間を短縮できる点は、営業や企画部門にとって大きなメリットとなる。
また、資料作成スキルのバラつきによる品質の差も、AIによる標準化で均一化される可能性がある。
一方で、AIが生成する情報の正確性や機密データの取り扱いには慎重な検討が求められる。社内データとの連携にはセキュリティ対策が不可欠であり、誤った情報が含まれた資料の配布といったリスクも想定される。
今後はユーザー企業からのフィードバックを踏まえながら機能改善を行い、より高度な業務支援を目指すことが期待される。
生成AIがオフィスワークに本格導入される中、satto workspaceはその先陣を切る試金石となるかもしれない。