レビュー対応をAIで効率化 ReviCoが「AIショップコメント」を正式リリース

2025年7月8日、レビュー対応支援のReviCoは、ユーザーレビューへの返信文面をAIが自動生成する新機能「AIショップコメント」をリリースしたと発表した。国内EC事業者の負担軽減や品質向上を狙ったもので、先行導入企業ではすでに成果も出ている。
レビュー対応を自動化、返信の質と効率を両立
レビューマーケティングプラットフォーム「ReviCo」を展開するReviCoは、レビュー対応業務を効率化する「AIショップコメント」機能をリリースした。レビュー投稿のタイトルや内容をAIが読み取り、文脈に即した返信コメント案を自動で作成する。
コメントの文体は「フォーマル」「シンプル」「カジュアル」の3種類から選択可能。ポジティブなレビューとネガティブなレビューでトーンを変えることもできる。ユーザーの声に寄り添いながら、ブランドイメージを損なわない返信文が提案される点が特徴だ。
背景には、レビュー対応の属人化やリソース不足といった課題がある。特にレビュー数が多い人気ショップや、対応スタッフの経験が浅いケースでは、対応のばらつきやトーンマナーの乱れが問題になりがちだった。ReviCoは今回の機能で「誰でも」「素早く」「高品質」な対応を実現し、レビュー施策の全体最適を狙う。
先行導入企業のエドウインでは、同機能により返信業務の時間短縮と、対応品質の平準化が図られたという。レビューごとに丁寧で自然な返信案が提示されるため、閲覧者に「誠実な店舗」という印象を与えやすく、ブランドイメージの向上にもつながっているとする。
AI返信で業務効率とブランド戦略を同時に支援
「AIショップコメント」がもたらす効果は単なる作業効率化にとどまらない。品質の均一化、顧客満足度の向上、さらにはブランドの信頼形成にも寄与すると考えられる。
まず大きな利点は、業務工数の削減だ。特に多店舗展開をしている企業では、1日数百件に及ぶレビュー返信作業が発生することもある。AIが文面を提案すれば、その手間を大幅に減らせる。さらに、経験の浅い担当者でも高品質な返信ができることで、業務の属人化が防げる。
もう一つの重要な点が、ネガティブレビューへの対応だ。不満の声に対して即時かつ誠実なコメントを返すことで、他のユーザーに「対応が丁寧な店舗」という印象を与えられる。結果的に悪い評価の影響を緩和できる効果がある。
また、グローバル展開を進める企業にとっては、多言語レビューへの対応も強力な武器となる。AIはレビューの言語を自動で判別し、適切な言語で返信案を生成するため、海外ユーザーとの信頼構築の一助となるだろう。
今後、ReviCoはレビュー起点のマーケティングや顧客理解をさらに深化させる可能性がある。レビューを「ただの評価」から「ブランド体験の一部」へと進化させる、その一手となりうる。