タモリがAI化 NHK新番組でAIタモリが人生相談に答える

2025年7月3日、NHKが12日から放送を開始する新番組「知的探求フロンティア タモリ・山中伸弥の!?」の記者会見に、タモリと山中伸弥教授、吉岡里帆が登場した。番組ではタモリが自身のAIと共演することが注目されており、AIタモリがどのような人生相談を展開するのか、視聴者の関心が集まっている。
AIタモリが人生相談に挑戦
この番組は、科学や医療、宇宙など多様な知的探求をテーマにした内容で、NHKスペシャル「人体」シリーズで共演したタモリと、ノーベル賞受賞の山中伸弥教授が再び共演することでも注目を集めている。
番組の初回はAI特集で、AIタモリがお笑いコンビ平成ノブシコブシ・吉村崇の悩み相談に応じる展開が予定されている。
タモリは会見で「僕自身がAIの必要性を感じなかったですが、研究に対する興味は非常にわきました」とコメント。
収録中には、「俺はこういうことを言うだろう」と、AIタモリが本当に自分が言いそうなことを言ったことに感動した様子を語った。タモリらしいユーモアを交えた回答が視聴者の関心を引き、番組がどのように展開するかに注目が集まっている。
また、タモリは今回から番組のMCとして参加する吉岡里帆との初共演に対し、「頭がいいんですよ。切れ味がするどいことを言うんで」とコメント力を称賛。「僕あたりになるとボケボケになるので、若く頭がいい方が入ってきてくれて刺激になります」と冗談交じりに語った。
著名人AIの商業化とリスク
今回の番組でタモリがAI化されたことをきっかけに、将来的には著名人AIの商業的展開が注目される可能性もあるだろう。
タモリ自身も「AIタモリの商品化」について報道陣から質問されると、「おもしろい」と興味を示し、山中教授も「タモリさんバージョンが1位になるかもしれませんよ」と、AIタモリが商業的に成功する可能性に期待を寄せた。
このようなAI技術は、タモリに限らず、他の著名人にも応用されることで、音声サービスやデジタルコンテンツ、ファン向けの限定企画など、さまざまな形で展開されることが予想される。著名人AIがガイド役を担うことで、教育や医療、観光といった分野に新たな可能性をもたらすかもしれない。
しかし、AI化に伴う倫理的な問題も無視できない。著作権や肖像権、本人の意図しない使われ方など、商業利用における課題は多岐にわたる。特に、AIがリアルになればなるほど、なりすましや不正利用の危険性も増大する。現に著名人の偽広告や詐欺の事例は、近年問題となっている。
このため、AIによる商業利用に関しては、肖像権や使用許可に関する明確な基準を設けることが必要と考えられる。また、AI技術の進化に伴い、生成されたAIがどのように作られたかを公開し、そのプロセスを透明化することが重要になるだろう。
とはいえ、著名人AIの親しみやすさは今後、様々なサービスで応用が期待できる。教育、医療、エンターテイメントなど、生活のさまざまなシーンに登場する可能性が高く、今後、著名人AIがどのように進化し、社会にどんな影響を与えるかが注目される。