EVM互換「Japan Open Chain」にパシフィックメタが参画 国産ブロックチェーンの基盤強化へ

2025年7月2日、日本ブロックチェーン基盤は、同社が管理する国産ブロックチェーン「Japan Open Chain(JOC)」のバリデータに、Web3支援企業パシフィックメタが参画したと発表した。国内運用にこだわるJOCの信頼性強化とユースケース拡大が期待される。
パシフィックメタがJOCのバリデータに新規参画
日本ブロックチェーン基盤が管理するEVM(Ethereum Virtual Machine)互換の国産ブロックチェーン「Japan Open Chain(JOC)」に、Web3コンサルティング企業パシフィックメタがバリデータとして参画した。発表は2025年7月2日に行われた。
JOCは、日本国内に拠点を持つ企業がバリデータノード(※)を運営する設計となっており、法的・技術的信頼性の高いブロックチェーンインフラの構築を目指している。
ネットワークの運営は最大21社のバリデータで支えられ、JOCを利用する企業は100社規模まで拡大する方針だ。
今回バリデータとして加わるパシフィックメタは、国内外のWeb3プロジェクトに対し、戦略立案からマーケティング支援までを提供する企業である。
現実資産(RWA)のトークン化支援やクロスチェーン技術「Bifrost」との連携実績も持つ。
同社は今後、JOCのノード構築と運用を通じて、ネットワークのセキュリティ強化に貢献すると同時に、ブロックチェーンを活用した新たな事業開発やグローバル展開を後押しする役割を担うとしている。
※バリデータノード:ブロックチェーンの取引記録を検証・承認する役割を担うノード。ネットワークの正当性と安全性を保つ重要な存在。
今後の展望の予測
JOCは今後、Web3インフラとしての存在感を国内市場で高めていく見通しである。
特に法制度との親和性や日本企業の信頼性を背景に、金融・行政・エンターテインメント領域におけるユースケース創出が現実味を帯びつつあるといえる。
パシフィックメタのような専門企業がノード運営に関与することで、単なるインフラ構築に留まらず、コンテンツやサービスレイヤーでの応用開発も進展していくと予想される。
ただし、EVM互換チェーンは世界中に乱立しているため、JOCが差別化を図るには「信頼性」や「ガバナンスの質」以外にも、開発者コミュニティの活性化やインセンティブ設計の巧拙が鍵を握ると思われる。
将来的には、他チェーンとの相互運用性を高める形でのクロスチェーン展開や、日本の法規制に対応したトークン標準の整備といった基盤整備も求められるだろう。
また、国際企業との連携やWeb3コンソーシアムの形成が進めば、JOCは国内に留まらずアジア圏を中心としたリージョナルチェーンとしての成長路線を描ける可能性もある。
日本発のインフラとして、今後どこまで普遍的価値を持つチェーンへと進化できるかが、今後の焦点になるだろう。