newmoが自動運転タクシーに本格参入を発表 大阪での事業化とともに12億円を追加調達

2025年7月2日、モビリティスタートアップのnewmo(ニューモ)は、自動運転タクシー事業への本格参入を発表した。大阪での事業化に着手すると同時に、第三者割当増資により12億円を追加調達したことも明らかにした。
大阪で自動運転タクシー事業化に向け始動
newmoは2024年1月に設立されたスタートアップで、「利用者視点に立ったサステナブルな地域交通」を掲げている。同社は2025年7月2日、自動運転タクシー事業への本格参入を表明し、まずは大阪での展開に向けた準備を開始した。
現在、newmoは大阪府内で3社を傘下に持ち、約1000台のタクシー車両と1500人以上の従業員を擁している。
タクシーやライドシェア、配車アプリなど複数のモビリティサービスを展開しており、AIを活用した業務DXやオペレーションの統合によって、地域交通の効率化と持続可能性を追求している。
今回、newmoはシリーズAラウンドにおける追加の第三者割当増資(※)として12億円を調達した。これにより、シリーズAの累計は179億円、創業以来の累計調達額は199億円となった。
出資者にはDual Bridge Capitalやいわぎん未来投資、京信ソーシャルキャピタル、ニッセイ・キャピタルなど、地域系ファンドや金融機関のVCが多く含まれており、地方経済との連携を意識した構造がうかがえる。
※第三者割当増資:特定の第三者に対して新株を発行し、資金調達を行う方法。既存株主以外に出資機会を与えることで、資本の多様化や新規パートナーの獲得が可能になる。
自動運転車両導入 技術・人材投資を加速へ
自動運転車両の導入により、慢性的なドライバー不足や高齢化といったタクシー業界の構造課題に対処できる可能性がある。
自動運転の社会実装には、法制度対応や実証データの蓄積、安全基準の整備など多面的な取り組みが必要だ。newmoが現地に根ざした交通オペレーターを傘下に持つ点は、現場のフィードバックを設計や運用に迅速に反映できる強みとなる。
一方で、自動運転技術の実用化には高いハードルも残る。
センサー類の精度、走行データの解析能力、緊急対応体制の確立など、乗客の安全と信頼を確保するための投資は今後さらに増加する可能性がある。
自動運転タクシーは、都市部の交通課題の解決策として期待される一方で、社会との接続における丁寧な設計と段階的な導入が成功の鍵を握るといえる。