セールスフォース、国内で「Revenue Cloud」提供開始 AI活用で収益プロセスを一元管理

2025年7月1日、セールスフォース・ジャパンは、AIエージェントを活用し収益ライフサイクル管理を包括的に支援する「Revenue Cloud」の日本市場での提供開始を発表した。契約から現金化まで、プロセス全体の最適化を目指す。
収益プロセス全体を一元化 国内企業の課題に対応
Revenue Cloudは、見積もり、契約、受注、請求、現金化まで、収益ライフサイクル全体を一元管理するソリューションである。日本市場向けに最適化された今回のサービスは、企業が直面するシステム分断や業務の非効率といった課題への対応を目的としている。
近年、日本企業ではサブスクリプションモデルや成果報酬型、D2Cなど多様な収益モデルが広がっている。しかし、営業部門はCRM、バックオフィスはERP、さらにポイントソリューションを併用する企業が多く、契約プロセスの複雑化や取引サイクルの長期化が深刻な課題となっていた。
Revenue Cloudは、これらの断片的なプロセスを、SalesforceのCRMアプリケーション群のもとで統合する。CPQ(※1)、契約、注文、請求などのプロセスが共通のデータモデル上で連携し、迅速な取引成立と業務負担軽減を実現する。
さらに、柔軟なメタデータモデルと統合商品カタログを備え、あらゆる販売チャネルや収益モデルに対応可能としている。
※1 CPQ(Configure Price Quote):見積もり作成支援ツールの一種。製品の構成、価格設定、見積もり作成を効率化するソフトウェア。
Revenue Cloudのメリット・デメリット
Revenue Cloudの最大のメリットは、収益プロセス全体の一元管理が可能になる点であろう。AIによる見積もり支援や契約プロセスの自動化は、人的ミスの削減や業務負担軽減につながると予想できる。
オムニチャネル対応(※2)により、顧客体験の質も高まるだろう。
一方でデメリットも考えられる。
まず、既存システムとの統合コストは無視できない。
多くの日本企業では、既存のレガシーシステムや個別最適化された業務フローが根強く残っているため、これらをSalesforce基盤に移行するには、多大な労力と時間が必要になるだろう。
また、AI活用によるプロセス自動化についても、企業側の業務フロー設計力やガバナンス体制が未熟な場合、逆に混乱を招く恐れがある。
さらに、国内の中堅・中小企業にとっては、コスト負担が障壁になるケースも想定できる。
※2 オムニチャネル:企業が顧客と接点を持つあらゆるチャネル(販売経路やコミュニケーション手段)を統合し、一貫した顧客体験を提供する戦略