SCSK、Teamsで完結するAI経費精算機能を次世代ERP「PROACTIVE」に実装

2025年6月27日、SCSKは、AIネイティブERP「PROACTIVE」にチャット操作で経費精算が完結するAIエージェント「PROACTIVE コンシェルジュ」を追加したと発表した。従来の経費精算プロセスと比べて、最大80%の業務効率化が可能になるという。
SCSK、AI活用で経費精算の業務負荷を抜本軽減
SCSKが新たに発表した「PROACTIVE コンシェルジュ」は、Microsoft Teamsのチャットだけで経費精算を行えるAIエージェント機能である。
領収書画像の読み取りから伝票作成、社内規定の自動チェック、さらには承認までの一連の作業をTeams上で完結させられる点が特徴だ。
従来の経費精算は専用システムへのログインや複雑な入力作業が必要で、特に海外出張や社内規定に関する照会が業務の滞留要因になっていた。SCSKは、労働人口減少が進む中での生産性向上の一手として、本機能の開発に取り組んだと説明している。
開発には日本マイクロソフトと連携し、Teams上でのシームレスな業務運用を実現した。社内システムを経由せずとも、スマートフォンやタブレットなど任意の端末から経費精算が可能になり、柔軟な働き方との親和性も高まっている。
このサービスは、顧客側でのシステム改修が不要で、導入期間は最短2カ月から可能とされる。チューニングの段階でFit&Gap分析を行い、企業ごとの社内ルールに準拠した対応を担保するという。
業務効率化の追い風に 定着には現場浸透と精度の継続改善も課題
PROACTIVE コンシェルジュの導入により、定型業務に追われる従業員の負荷を大幅に軽減し、企業全体の生産性向上に寄与すると期待される。特に申請・承認フローをチャット内で完結できる設計は、使い慣れたツールの延長線で業務を遂行できる点で導入ハードルが低い。
また、AIによる社内規定チェック機能により、人的ミスやルール違反のリスクが減少する。
例えば出張費の上限チェックやプロジェクトコードの入力漏れ防止といった処理が自動化されることで、業務の正確性とスピードの両立が図られる。
一方で、導入効果を最大化するには、現場での運用定着が不可欠となる。AIがルールを誤解したり、特殊な精算パターンに対応できなかった場合のフォロー体制も求められるだろう。
運用開始後も、社内フィードバックをもとに継続的な調整が必要になる。
SCSKは今後、画像・音声・動画といった直感的インターフェースの統合を進めるとし、AI活用の幅を広げていく構えだ。
定型業務から解放された従業員が、より創造的な業務にリソースを振り向ける未来が近づきつつある。