AEON PayとWAONが残高連携を開始 全国430万店舗での利用が可能に

2025年6月26日、イオンはコード決済「AEON Pay」と電子マネー「WAONタッチ」の残高移行に対応したと発表した。
両サービスの統合により、AEON Payの実質的な利用可能店舗数が約430万カ所に拡大する見通しである。
WAON残高をAEON Payに移行可能に
AEON Payはコード決済(※)であり、店舗のQRコードを読み取って支払う形式だ。
一方、WAONは主にICカードやNFCタッチによる決済が中心で、対応端末を必要とする。
今回、イオンは、「AEON Pay」と「WAONタッチ」間の残高移行機能を導入した。
利用者はスマートフォンアプリ「iAEON」または「イオンウォレット」を通じて、WAON残高をAEON Pay側にチャージできるようになる。
指定額を片方のサービスから都度移動させる仕組みで、双方向での残高移行が可能だ。
この施策により、AEON Payの利用可能店舗は現在の約1.4倍となる約430万カ所に拡大する。
また、「ご当地WAON」機能にも対応が拡大された。
AEON Payで「チャージ払い」を利用した際にも、指定地域への寄付が有効となる。
今回の機能提供の背景には、他社によるコード決済市場の急成長がある。
PayPayや楽天ペイなど、スマートフォン一つで完結する決済手段が主流となる中、イオンとしても利便性と対応力の向上が求められていた。
イオンは、WAONに慣れ親しんだユーザーをスムーズにAEON Payに誘導することで、コード決済の利用拡大を図るとみられる。
※コード決済:スマートフォンなどでQRコードを読み取って行うキャッシュレス決済方式。NFC方式よりも安価に導入できる利点がある。
コード決済主流化への布石 WAON依存の脱却なるか
コード決済は導入コストが低く、小規模店舗や個人経営の飲食店でも普及が進んでいる。WAONが対応しづらい環境でも、AEON Payであれば利用可能となる場面が増えることで、イオン経済圏の決済エコシステムが広がる可能性がある。
ただし、WAON残高の移行は都度の手動操作が必要なため、利用者にとっては手間がかかる側面も残る。
完全な統合ではない以上、両サービスの併用は今後も続くと考えられるため、ユーザー体験の一層の磨き込みが求められることになるだろう。