生成AI「Gemini」で就活を支援 ライフイズテックが大学生向け無料講座を開講

2025年6月23日、ライフイズテック株式会社は大学生向けのキャリア教育プログラムを発表した。第1弾として、Googleの生成AI「Gemini」を活用する就活支援講座「AI Career Journey」を7月7日から無料で提供する。就活プロセスをAIとともに体験できる点が特徴だ。
生成AIと就活を融合した新講座が始動
ライフイズテックは、大学生のキャリア形成を支援するためのオンライン講座「AI Career Journey」を開講する。このプログラムは、Googleが提供する生成AI「Gemini」を活用し、学生が自己分析からエントリーシートの作成までを一貫して学べる設計となっている。
講座では、自己理解を深める「自分を知るためのWill×Can分析」や、企業理解を促す「企業を知るための5Elements分析」、魅力を的確に伝える「魅力を伝えるためのPRシート作成」といったAIを活用した実践的なワークが用意されている。
各ワークを通じて、学生は自身の価値観や強みを掘り下げると同時に、企業との相性を多角的に検討する力を身につける。
開催日は7月7日、16日、22日の全3回。各回3.5時間で、Zoomを用いたオンライン形式で実施される。参加対象は全国の大学・大学院・短期大学・専門学校・高等専門学校の学生で、AI未経験者も歓迎。受講料は無料で、参加には事前アンケートへの協力と積極的な参加姿勢が求められる。
背景には、就活スケジュールの早期化により、学生が十分に自己理解や企業研究を深める時間を確保できず、進路選択のミスマッチが生じやすいという課題がある。
これに対し、AIを「思考の相棒」として活用することで、情報の整理と視点の拡張を図り、より納得感のある意思決定を後押しする狙いがある。
生成AIが就活の常識を変える可能性と課題
「AI Career Journey」が提供する最大の価値は、学生が自分の思考を客観的に見つめ直す“対話型の伴走者”として生成AIを活用できる点にある。Geminiは、学生の言語入力から文脈を読み取り、思考の整理や視点の提示を行うため、内省や自己分析に対して新しいアプローチを提示できる。
このような生成AIの導入は、キャリア支援の効率化にとどまらず、個別化やパーソナライズの面でも革新をもたらす。従来の画一的なキャリア指導から一歩進み、個人の特性に応じたフィードバックやサポートが可能になることで、就活の質的向上が期待される。
一方で、生成AIの特性を理解せずに依存してしまうリスクや、アウトプットの正確性・多様性に対する検証の重要性も指摘されている。特に、学生がAIの出力を鵜呑みにすることなく、自己の判断を介在させる能力を養う必要がある。
今後、このような取り組みが広がれば、生成AIがキャリア教育の定番ツールとして定着する可能性もある。AIとの対話を通じた自己理解と意思決定の支援が、将来のキャリア観を大きく変える契機となるかもしれない。