Googleが「Gemini 2.5 Pro（Preview）」をアップデート　Geminiアプリでも利用可能に

2025年6月5日（現地時間）、米Googleは同社の生成AIモデル「Gemini 2.5 Pro（Preview）」のメジャーアップデートをしたと発表した。
開発者向けAPIだけでなく、Geminiアプリでも利用可能になったことにより、一般ユーザーの活用範囲が広がっている。

Geminiアプリでも「2.5 Pro」が利用可能に

Googleは6月5日、開発者向けに提供しているAIモデル「Gemini 2.5 Pro（Preview）」の機能を大幅に強化した。開発者は「Google AI Studio」や「Vertex AI」の「Gemini API」を通じてこのバージョンを利用でき、Geminiアプリでも利用可能になっている。

このモデルは、5月の開発者会議で限定公開された「Gemini 2.5 Pro Preview I/O Edition」をベースにしており、数週間以内には正式版（General Availability）としてリリースされる予定である。

性能面でも着実な進化を遂げている。「LMArena」でのEloスコアは前回比＋24ポイントとなる1470を記録し、依然として首位を維持。「WebDevArena」でも＋35ポイントの1443となり、他の主要モデルを上回った。これにより、テキスト生成やWeb開発領域での優位性を改めて証明した。

性能改善と対応拡大で期待高まるも、安定性への懸念も

今回のアップデートでは、従来の「2.5 Pro」で指摘されていたパフォーマンス低下への批判に対処したとされる。
特に、コーディング以外の用途における応答精度や出力の創造性に関する改善が注目されており、Googleは「スタイルと構造の向上」を明言している。
これにより、ユーザーはより自然で多様性のある回答を得られるようになると期待される。

一方で、Preview版である点には注意が必要だ。正式リリース前の段階では、安定性や一貫性において不確定な要素が残されており、特に法人向けシステムや商用アプリケーションに導入する際には慎重な検証が求められるだろう。

とはいえ、Geminiアプリでの対応拡大により、一般ユーザーのフィードバックも急速に蓄積されると予想される。Googleがこのフィードバックをどのように活用し、正式版へと反映させていくかが、今後のGeminiシリーズの信頼性を左右する鍵となるだろう。

モデル性能の向上とアプリケーション対応の広がりは、OpenAIやAnthropicなどの競合がしのぎを削るAI市場において、Googleの巻き返しの起爆剤となりうる。
今後の正式版の完成度と、実用シーンでの応答品質がその評価を決定づけることになると言える。