2026年10月22日、日野自動車は同月30日に東京都江東区で開催される「第12回 バステク in 首都圏」への出展概要を発表した。車内の転倒リスクを検知する改良型AI支援システムや、刷新された大型観光バスを披露する。
車内転倒をAIで判定 日野自動車が安全確認支援システムを改良
日野自動車は、海の森水上競技場にて開催される体験型バスイベント「第12回 バステク in 首都圏」において、先進技術を搭載した車両と安全支援システムを出展する。 今回の目玉となるのが、乗合バスの安全性向上を目的として開発された「バス車内事故防止のための安全確認支援システム〈改良版〉」の実機展示だ。
このシステムは、車内に設置したカメラ映像から車内全体を常時撮影し、乗客の動きから転倒リスクをAIがリアルタイムに判定する仕組みを持つ。 危険を察知した際にはドライバーへ音や画像によって迅速に通知が行われ、事故の未然防止をサポートする。
今回の改良版では検知精度のさらなる向上と通知方法の改善が図られたほか、乗客へ直接注意を促す機能も新たに追加された。 会場のデモ車内では、AI判定から通知に至る一連の挙動を直接体感できる構成となっており、日本バス協会による実証実験にも同技術が提供されている。
安全性向上と負担軽減の両立へ 業務効率化が担うバス業界の未来
車内事故の抑止に向けたAI技術の導入は、運行の安全性向上にとどまらず、交通インフラが直面する構造的課題への解決策となり得る。 乗客の転倒事故を未然に防ぐことができれば、運行遅延の回避や事故対応にかかる精神的・時間的コストを抑制できるためだ。 ドライバーの過度な目視確認業務をシステムが代替・支援することは、業務負担の大幅な軽減につながり、深刻化するドライバー不足の解消を後押しする。
加えて、会場には約20年ぶりにボディーデザインを刷新し、2026年5月に発売された大型観光バス「日野セレガ」も展示される。 国内トップレベルを誇る先進の運転支援機能と高精度なAI解析技術が融合することで、快適な移動体験と高度な運行管理が同時に実現する。
ただし、車内環境の多様性や混雑状況に応じたシステムの誤検知低減など、現場定着に向けた運用検証は欠かせない。 技術の実装と適切な運用が噛み合ってこそ、次世代モビリティにおける持続可能な運行体制が確立されると言える。