2026年10月7日、株式会社日立社会情報サービスは、運用管理基盤「OpeLightシステム」にAIエージェントを活用した運用支援機能を追加し、提供を開始したと発表した。国内IT現場の課題解決を目指す。
IT運用の現場でAIエージェント機能を導入 一次対応を自律化
企業のITシステム運用現場では、深刻な人材不足や問い合わせ対応の高度化・複雑化、運用の高コスト化が喫緊の課題となっている。加えて、担当者個人の経験やノウハウに依存した運用の結果、対応品質のばらつきやナレッジ継承の課題が生じ、持続的な運用体制の構築を難しくさせていた。
こうした課題の解決に向け、同社はITシステム運用の現場で培ってきた運用プロセスや手順、インシデント事例などのノウハウと最新のAI技術を組み合わせた。独自開発のAIエージェント機能は、インシデントや問い合わせの受付・記録から一次切り分け、類似事例の検索、対応案の提示、一次回答、ナレッジドラフト作成までを自律的に実行する。
これにより、運用担当者は情報収集や定型文書の作成にかかる負担から解放され、障害の根本原因分析や再発防止策の検討、意思決定といった高度な業務へリソースを集中させることが可能になる。同社の検証結果によれば、本機能を含むシステムの導入により、実機作業を除くインシデント対応業務の運用工数を未適用時と比べて約60%削減できることが実証された。
※インシデント対応業務:システム障害や問い合わせなど、ITサービスの正常な提供を妨げる事象に対して、迅速に復旧を図り安定稼働を維持するための一連の運用対応作業のこと。
効率化と品質均質化がもたらす価値と、人間による管理の重要性
本機能の導入により、従来の属人化しやすかった運用ノウハウが自動的に蓄積・共有される仕組みが確立されると見込まれる。過去の対応履歴から解決方法を自律的にナレッジ化することで、担当者ごとのスキル差による対応品質のばらつきを抑え、組織全体での安定したシステム運用と生産性向上を実現できる点が大きなメリットと言える。
一方で、AIの判断だけに頼る運用には、予期せぬ誤対応や意図しない判断リスクが潜んでいる可能性も否定できない。その対策として、運用担当者による確認・承認プロセスや対応履歴の管理機能を備え、人間が介入する余地を残すことで安全性の高いAI運用環境を整備している。
今後はシステム障害の原因分析やセキュリティ影響調査、各種報告書作成といった高度な調査・分析業務へのAI活用拡大が期待される。業務の自律化と高度化が進む中、AIに委ねる範囲と人間の監視役割のバランスを最適化することが、今後の成功の鍵を握ると考えられる。
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