2026年9月26日、日本の株式会社コンテンシャルはWebサイト専用のMCPサーバー(※)を無料で発行する新サービス「ヨミタス」の提供を開始した。自社サイトの掲載情報を生成AIへと正しく届ける環境を提供する。
所有者確認のみで即時導入 開発不要で自社サイトをAI連携可能に
株式会社コンテンシャルが発表した「ヨミタス」は、自社Webサイトのコンテンツを自動で取り込み、生成AIアプリケーションからの参照を可能にするプラットフォームである。企業や団体はプログラミングや複雑な開発作業を行う必要がなく、極めて簡便に導入できる仕組みが整えられた。
利用手順はトップページに確認用メタタグを1行追加するか、指定の確認用ファイルを設置するだけで完了する。サイトの表示速度やデザインに影響を与える心配はなく、外部プラグインの追加も要求されない。登録されたサイトからは、サイトマップやサイト内リンクを辿って1サイトあたり最大300ページが自動取得され、定期的な情報更新も実行される。
このサービスを通じ、ChatGPTやClaudeをはじめとするMCP対応の生成AIが、企業の最新情報を正確に読み取って回答を生成する環境が構築される。AIが回答を出力する際には参照元のURLが明記されるため、利用者を自社サイトへ誘導する導線としても機能する。さらに、AIによる読み取りを阻害する設定の診断機能や、AI経由の検索で該当がなかった未検出語句の把握機能も備わっている。
※MCPサーバー:生成AIなどのアプリケーションと外部のデータソースやツールを安全かつ標準化された手順で相互接続するためのサーバー仕様。
情報提供の精度向上と省力化を両立 企業のAI対応を加速させるか
生成AIを情報収集の手段として活用するユーザーが急増する一方、従来はAIの回答が企業のWebサイトに存在する最新情報と食い違う現象が課題視されてきた。自社情報を直接AIに引き渡すシステムの自作には多大な技術的コストが伴うため、中小企業や非IT企業にとって個別の環境整備は大きな障壁となっていた経緯がある。
「ヨミタス」の登場は、この技術的・資金的ハードルを一気に押し下げる潜在力を秘めている。クレジットカード登録も不要な完全無料モデルとして提供されるため、予算やエンジニアリソースが限られる事業者であっても、即座に「AIに最適化された情報発信」へ舵を切ることが可能となる。
一方で、1サイトあたり最大300ページという取り込み制限が存在するため、数万ページ規模を誇る大型ECサイトや大規模メディアにおいては、限定的な情報連携にとどまる可能性がある。どのページを優先的にAIへ読み込ませるかという運用上の工夫や精査が求められる側面もあるだろう。
それでも、SEO(検索エンジン最適化)に続く新たな情報流通の標準として、AIに向けた情報最適化の重要性は増している。今回の試みは、企業のAI連携への参入を劇的に加速させる画期的な一歩になると言える。