SUSHI TOP MARKETINGは、島根県大田市で実施される「大田市日本遺産デジタルスタンプラリー」にNFT技術を活用したデジタルスタンプシステムを提供したと発表した。
観光客の周遊促進と匿名の移動データ活用を両立する取り組みだ。
約15カ所を巡りNFTスタンプを取得
SUSHI TOP MARKETINGは2026年9月11日、日本郵便が大田市日本遺産推進協議会から受託したデジタルスタンプラリーに、NFT(※)を活用したシステムを提供したと発表した。
開催期間は2026年9月18日から12月13日までで、大田市内の日本遺産構成文化財など約15カ所が対象となる。
対象は大森エリアから三瓶エリアまでで、歴史や文化、自然に触れながら地域全体を巡る構成だ。
個別の名所だけでなく複数地点への訪問を促し、日本遺産のストーリーを面的に体感してもらうことで、地域内の周遊や賑わい創出を目指すという。
参加者は各スポットの二次元コードをスマートフォンで読み取り、大田市のLINE公式アカウントを友だち追加してデジタルスタンプを取得する。
専用アプリは不要で参加費も無料だが、一部スポットでは別途入館料や飲食代などが必要になる。各スポットでの取得は期間中1回までで、地域特産品などの特典も用意される。
SUSHI TOP MARKETINGは個人情報を取得せずに参加者の周遊データを蓄積し、施設を巡った順番などの移動傾向を可視化することで今後の観光施策につなげるという。
今後も企業や自治体に対し、NFTを活用した周遊データの可視化や関係人口創出の仕組みづくりを技術面から支援する方針である。
※NFT:ブロックチェーン技術を用いてデジタルデータごとに固有性を持たせる仕組み。今回の施策ではデジタルスタンプに活用され、匿名性を保ちながら取得履歴や周遊データを蓄積するために使われる。
観光施策の改善にデータ活用広がるか
今回の仕組みは、観光客の参加負担を抑えながら、自治体側が周遊状況を把握できる点に強みがありそうだ。
LINEと二次元コードだけで参加できるため、新たなアプリの導入を求める方式と比べ、観光客の参加ハードルは低くなるだろう。
また、企業・自治体側が参加者の訪問順序を把握できれば、従来のスタンプラリーでは見えにくかった観光客の動線を施策改善に生かせる可能性がある。
立ち寄られにくいスポットの特定や、エリアをまたいだ周遊ルートの設計、特典配置の見直しなど、実際の行動に基づく観光施策につなげやすくなるだろう。
匿名性を維持しながらデータを蓄積できることも、参加者の心理的な負担を抑える要素になり得る。
一方、デジタルスタンプを導入するだけで地域全体への周遊が自動的に生まれるわけではないはずだ。スポット間の移動手段や各地域で得られる体験、特典の魅力なども参加者の行動を左右すると考えられる。
また、把握できるのはスタンプラリー参加者のデータのみであり、すべての観光客の動向を把握できる訳でないことは課題となるかもしれない。
とはいえ今後、蓄積したデータを継続的な情報発信や再訪促進と組み合わせられれば、一度の観光が地域との長期的な接点に変わる可能性もある。
地域観光の行動分析や施策改善につなげるためのNFTの活用事例としても注目されそうだ。
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