2026年9月1日、株式会社モスフードサービスは埼玉県八潮市に「モスバーガー 八潮店」を同年9月3日にオープンすると発表した。AIによる空調制御や将来的なAIドライブスルーの導入を見据えた次世代型店舗である。
省エネと利便性を向上する最新設備 AI技術を活用した次世代型店舗
モスフードサービスは、建築コストや賃料の上昇といった市場環境の変化に対応しつつ、高い収益性を確保する郊外立地の次世代型店舗開発を進めている。
埼玉県八潮市に新設されるロードサイド型の大型店舗には、居心地にこだわった空間設計が取り入れられた。1人席の増設やテラス席の配置に加え、吹き抜けのあるエントランスにはフルセルフレジを3台設置し、利用客の利便性を高めている。さらに交通量の多い幹線道路沿いという立地を活かし、1レーンで2カ所の注文を受けられる「タンデム・レーン」を採用した。
最大の注力ポイントは、パナソニック HVAC & CC株式会社の業務用空調向けIoTサービス「Panasonic HVAC CLOUD」の試験導入である。外気温や気象情報などの外部データに加え、利用者のリモコン操作を学習するAIを活用する仕組みだ。AIが店舗の状況に応じて省エネ可能な設定温度へ自動制御することで、利用客の快適性を保ちながら店舗の消費エネルギー削減を検証する。
加えて同社は、2027年度に当チェーンで実証実験を進める音声対話AIシステム「AI Order Thru」を八潮店のタンデム・レーンへ導入し、検証を行う計画も掲げている。
店舗最適化がもたらす波及効果 費用対効果と初期投資の課題も
今回の取り組みは、エネルギー価格高騰や人手不足に直面する外食業界において明確なメリットをもたらす可能性がある。AIを用いた空調の自動制御は、快適性を損なわずに電気代やCO2排出量を抑制する手段として有効と考えられる。また、将来的な音声AIによるドライブスルー注文の自動化は、オペレーションの省力化と混雑緩和に大きく寄与することが期待される。
一方でリスクや課題も存在する。AIをはじめとする最新設備の導入には相応の初期投資を要するため、小規模店舗や既存店への展開においては費用対効果の厳密な見極めが不可欠となる。AIの学習精度や自動応答の認識精度が不十分な場合、一時的に顧客満足度を損なう懸念も否定できない。
今後については、八潮店での実証実験で効果が実証されれば、同様のシステムが全国の郊外型店舗へ波及し、外食産業における新たな店舗運営の標準モデルとなる展開が予想される。
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