国連開発計画、AIキャラ「ウナ」で環境啓発 日本支援で開発、万博で3D展示も

2025年5月21日、国連開発計画(UNDP)アジア太平洋局は、対話型AIキャラクター「ウナ」を太平洋島しょ国の気候変動に関する啓発活動に活用すると発表した。
大阪・関西万博での展示も予定されている。
AIキャラ「ウナ」が太平洋の環境課題を伝える
UNDPが導入を進める対話型AIキャラクター「ウナ」は、太平洋の島しょ国が直面する海面上昇などの気候変動問題を世界に発信するために開発された。
日本が全額援助するサモアやバヌアツなどでの再生可能エネルギー導入支援の一環として位置づけられる。
「ウナ」は、ユーザーの質問に対し、AIによる自然言語処理を通じて回答。
たとえば「島しょ国の気候変動の影響は?」と尋ねると、「海面上昇により土地が浸水し、農業や飲料水供給に深刻な被害が出ている。持続可能な対応が必要だ」といった解説を提供する。
また、現地住民の声やUNDPの取り組みに関する情報も共有される。
このAIは、5月19日からオンラインで公開され、英語と日本語の質問に対応している。
9月末には大阪・関西万博の国連パビリオンにて、3Dホログラムとして来場者と対話する形で展示される予定である。
啓発と技術の融合 AI×環境教育の広がりに期待
AIキャラクター「ウナ」の活用は、環境啓発のあり方を大きく変える可能性がある。
ウナは単なる情報提供ではなく、対話を通じて来場者の関心を引き出し、参加型の学びを促進するインターフェースとして機能する。
メリットとしては、環境問題が遠い話題に感じられがちな若年層や一般市民にも、キャラクターとの対話を通じて関心を持たせることができる点が挙げられる。
一方、AIの情報が常に最新かつ正確である必要があるため、継続的なアップデートと専門家の監修が欠かせない。
今後は、ウナのようなAIキャラクターが他分野でも展開され、SDGs教育や地域課題の発信などに応用される可能性もある。
環境と技術を融合した啓発モデルとして、万博後の活用にも注目が集まりそうだ。
ウナ | 国連開発計画:https://www.undp.org/asia-pacific/una