東京都立小平高等学校、定期考査を「コエテコStudy byGMO」でデジタル化

2025年3月17日、東京都立小平高等学校は、同年3月5日に実施した定期考査において、GMOメディアが提供する「コエテコStudy byGMO」を活用し、試験のデジタル化を行ったと発表した。この取り組みにより、試験運営の効率化や公平性の向上が期待される。
試験運営の効率化と公平性の向上
従来、紙ベースの試験では、問題作成から印刷、配布、回収、採点、返却まで多くの手間と時間がかかり、教員に大きな負担が生じていた。 特に生徒数が多い学校では、採点作業が長期化し、生徒への迅速なフィードバックが難しいという課題があった。
「コエテコStudy byGMO」を導入することで、これらの作業が大幅に効率化される。
試験問題の印刷や配布作業が不要になり、生徒の端末へ試験を配信するだけで済むため、ペーパーレス化も実現する。
試験終了後、生徒が回答の「提出」ボタンを押すだけで全てのデータが即座にシステム上で保存されるため、試験問題の回収や整理の手間が不要となる。
また、AIが即時採点を実施することで、採点業務がゼロとなり、人的ミスも防止可能である。 さらに、試験中は端末が自動的にフルスクリーンモードに切り替わり、試験画面以外の操作ができなくなるなど、カンニング防止機能も備えており、公平性の高い試験環境を提供する。
生徒と教員の反応、そして今後の展望
小平高校では、CBT形式(※)での試験実施へ向けて、授業内で小テストによる事前練習を行い、生徒たちの準備を進めた。
一部、生徒の中には画面ロックや操作に不安を感じる声もあったが、「情報科らしい」と前向きな反応が多かった。教員に対しても事前に監督方法やトラブルがあった際の対応について周知し、通常の考査監督と同じように対応できることを説明したため、スムーズに受け入れができた。
文部科学省が推進する「GIGAスクール構想」により、小・中学生への1人1台の端末配布だけでなく、高校生においても1人1台の端末整備が促進されており、小中高において安定したICT環境が整備されつつある。
このような取り組みは、今後他の学校にも広がり、教育現場のデジタル化がさらに進展すると期待される。
ただし、デジタル化の進展に伴い、教員や生徒のICTスキルの向上も求められる。
特に、デジタル環境に不安を感じる生徒や、ICTスキルのレベルが異なるためにデジタル化が一部の生徒に不利に働く可能性があるため、注意が必要である。
教育現場でのデジタルリテラシーの向上が、今後の成功に不可欠であると言える。
総じて、学校側は生徒や教員に対するICT教育を強化し、全員がデジタル環境に適応できるような取り組みを進める必要があるだろう。
※CBT形式(Computer Based Testing):コンピュータを使用した試験方法のこと。