韓国、AI競争力強化へ迅速な対応　国家AIコンピューティングセンターの設立案と主要企業の戦略

韓国政府は国家AIコンピューティングセンターの構築実行計画を発表した。

これは、中国のAIスタートアップ「ディープシーク」の低コスト・高性能なAIモデルの登場が、韓国のAI業界に大きな影響を及ぼしていることを受けたものと予測される。

主要IT企業もAI技術の強化に向けた戦略を加速させており、韓国全体でAI競争力の向上を目指す動きが活発化している。

ディープシークの台頭と韓国のAI戦略

中国のAIスタートアップ「ディープシーク」は、低コストで高性能なAIモデルを開発し、世界のAI業界に衝撃を与えている。同社のAIモデルは、米国のOpenAIの最新モデルと同等の性能を持ちながら、開発コストを約18分の1に抑えていると報じられている。

この動きにより、韓国のIT業界も自国独自のAIモデル開発を急速に進める必要性が高まっている。

韓国政府は、AIエコシステムの基盤強化を目指し、国家AIコンピューティングセンターの設立を加速させている。このセンターには、SKテレコム、KT、LGU+、ネイバー、カカオなどの主要IT企業が参加を検討しており、AI技術の研究開発を促進することが期待されている。

政府は、官民投資による特別目的会社（SPC）を設立し、政策金融融資などを活用して、1エクサフロップス（EF）以上、最大2兆ウォン（約2,000億円）の国家AIコンピューティングセンターを構築する計画を示している。

主要企業のAI戦略と今後の展望

ネイバーの創業者であるイ・ヘジン氏は経営に復帰し、AI競争力の強化に取り組んでいる。彼は、グローバル企業との技術格差を縮めるために、マルチモデルや推論能力の強化に注力していると伝えられている。

また、カカオはOpenAIのサム・アルトマンCEOとの戦略的提携を発表し、AI技術の協力に期待が寄せられている。

AI競争力を強化するためには、インフラの整備が不可欠である。業界関係者は、政府との協力が企業単独での取り組みよりも大きな相乗効果を生むと述べている。

国家AIコンピューティングセンターの設立は、韓国が「AIトップ3」国家としての地位を確立するための重要なステップと考えられる。

ディープシークの登場を契機に、韓国のAI業界は国家AIコンピューティングセンターの設立や主要企業のAI戦略の強化を通じて、AI競争力の向上を目指している。

これらの取り組みにより、韓国がAI分野での地位をさらに高めることが期待されている。