gumi、総額1600万円相当のビットコインを株主優待に 暗号資産活用の先進事例に注目集まる

ゲーム開発企業gumiは、2025年4月期の株主優待として総額1600万円相当のビットコイン(BTC)を抽選で進呈すると2025年3月26日に発表した。
日本企業による暗号資産を用いた株主優待の広がりを象徴する動きである。
ビットコインを用いた株主優待が話題に 500株以上の保有者を対象に抽選を実施
gumiが発表した2025年4月期の株主優待は、総額1600万円相当のビットコインを抽選で進呈する。
対象となるのは、2025年4月末時点でgumi株式を500株以上保有する株主だ。
抽選により、10万円相当のビットコインを30名に、3万円相当を100名に、1万円相当を1000名に付与するという内容となっている。
本優待の実施にあたり、gumiはSBIホールディングス傘下の暗号資産取引所「SBI VCトレード(※)」と提携。
抽選の当選者には、2025年6月中旬以降、特設サイトのURLおよびアクセス用のパスワードが郵送される予定だ。
ビットコインを受け取るためには、2025年7月31日までにSBI VCトレードで口座を開設し、特設サイトを通じてエントリーを行う必要がある。
進呈されるビットコインの具体的な数量は、2025年8月15日時点におけるSBI VCトレードでの販売価格に基づき算出され、付与は同年8月末頃に実施される見込みだ。
gumiは、株主に対して従来とは異なる新たな価値を提供することを目的としており、今後の株主構成や市場からの評価に影響を及ぼす可能性がある。
※SBI VCトレード:SBIホールディングスが運営する暗号資産取引所。個人投資家向けにビットコインなどの暗号資産の売買サービスを提供している。
gumiの暗号資産を活用した優待制度、今後の展望は
gumiによるビットコインを用いた株主優待の導入は、企業のブランディング強化や若年層投資家の関心を引く施策として機能しうる。
特に、暗号資産への親和性が高い層にとっては魅力的な特典であり、同社の株式への関心を喚起する材料となり得るだろう。
また、SBI VCトレードとの連携により、一定のセキュリティや利便性も担保されている点は評価できる。
一方で、優待の受け取りには口座開設やエントリーなど複数の手続きが必要であり、高齢の株主や暗号資産に不慣れな層にとってはハードルが高い。
さらに、進呈額がビットコインの価格に連動する仕組みであるため、付与時点での価値が目減りする可能性も拭えない。
価格変動リスクを株主が直接引き受ける形となる点には注意が必要である。
今後、暗号資産を活用した株主優待は一時的な流行ではなく、新たな株主インセンティブの選択肢として定着していく可能性がある。
Web3やブロックチェーンへの関心が高まる中で、投資家の世代交代が進めば、このようなデジタル資産を活用する取り組みは徐々に一般化していくだろう。