Google、モバイル端末のGoogleアシスタントをGeminiに移行

米Googleは3月14日（現地時間）、今後数カ月の間にモバイル端末の「Googleアシスタント」を「Gemini」に置き換えると発表した。
この移行により、Googleアシスタントは多くのデバイスで利用できなくなる見通しだ。

Geminiへの移行とその影響

Googleは「Googleアシスタント」を「Gemini」に置き換える方針を明らかにした。これにより、Googleアシスタントは一部のデバイスで利用できなくなる可能性がある。

発表の背景にはAI技術の進化と、それを活用したユーザー体験の向上があると考えられる。Geminiは、従来のGoogleアシスタントを進化させたものであり、マルチモーダル（※）な対話機能を備えている。
そのため、アシスタントの移行後は、音声入力だけでなく、テキストや画像を活用した情報提供が可能となり、より自然なやり取りを行えるようになる見込みだ。
また、「Deep Research」も導入される予定であり、ユーザーの検索やリサーチを支援する役割を果たす。

「Gemini」の導入に伴い、対応デバイスの拡大も計画している。
スマートフォンに加え、Pixel Watchなどのスマートウォッチ、ヘッドフォン、タブレット、自動車、Nestシリーズ、Android TVなど、さまざまな端末で利用可能になる見込みだ。

※マルチモーダル：音声、テキスト、画像、動画など複数の入力方法を組み合わせて情報を処理する技術。

競争が激化するデジタルアシスタント市場の展望

Googleの「Gemini」導入は、デジタルアシスタント市場の競争を加速させる要因となるだろう。ライバルであるAmazonは次世代アシスタント「Alexa+」を発表しており、AIを活用した高度な対話機能を強化している。

巨大IT企業のGoogleとAmazonの競争が激化することで、AIアシスタントの進化がさらに加速する可能性がある。
Amazonの「Alexa+」は、従来の「Alexa」よりもパーソナライズ機能を強化しており、ユーザーの好みに応じた情報提供が可能になるとされている。
また、スマートホームデバイスとの連携を強化し、家庭内での利便性を向上させることも狙いの一つだろう。

これに対し、Googleは「Gemini」を通じて、より広範囲なデバイスとの統合を進め、ユーザーの利便性向上を図る考えだ。
特に、ユーザーが知りたいトピックに対して詳細な調査を行い、調査結果をドキュメントで共有できる「Deep Research」機能は、ビジネスシーンで多いに役立つだろう。

デジタルアシスタント市場では、AppleのSiriやMicrosoftのCopilotも競争に加わっている。こうした動向を踏まえると、今後、各社がAI技術を活用したアシスタントの開発に注力し、ユーザー体験の向上を目指していくと予想できる。
Googleも、「Gemini」の導入を機に、AIアシスタントの新たな時代を切り開こうとしている。

今後の詳細な発表や、新機能の追加に注目が集まることは間違いないだろう。