G7サミット2023広島の共同声明で、Web3とAIに関連する点をまとめてみた

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この記事では2023年5月19日から21日まで開催された、G7広島サミットでWeb3とAIに関連する点をまとめています。2023年のG7サミットは、世界の7大先進国が集まり、最も重要な課題を議論した場でありました。ウクライナ問題や核軍縮が主な焦点とされていた中、この記事ではサミットの議論から一部を切り取り、新興技術の分野に焦点を当てています。具体的にはWeb3やAIといった新たな技術領域についての議論を紐解きます。これらの技術は急速に進化し、社会の各面に影響を与えていますが、同時に規制やガバナンスといった問題も引き起こしています。本記事では、G7がこれらの新興技術に対してどのようなスタンスを取り、どのような対話を展開しているのかをまとめます。

目次

G7サミットとは

G7サミット(主要国首脳会議)とは、フランス、米国、英国、ドイツ、日本、イタリア、カナダ(議長国順)の7か国及び欧州連合(EU)の首脳が参加して毎年開催される国際会議です。

G7サミットでは、世界経済、地域情勢、様々な地球規模課題を始めとするその時々の国際社会における重要な課題について、自由、民主主義、人権などの基本的価値を共有するG7各国の首脳が自由闊達な意見交換を行い、その成果を文書にまとめ公表します。基本的価値を共有するG7首脳のリーダーシップにより、G7は国際社会の重要な課題に効果的に対応してきています。

今回のG7サミット2023広島では、ウクライナ問題や核軍縮を目的とした広島ビジョンが焦点でしたが、Web3やAIにも内容で触れていたのでその点をまとめていきます。

G7サミットにWeb3とAI関連で期待されていた点

G7サミット2023広島でWeb3とAIに関連する点として、どのようなことが期待されていたのかみていきましょう。

Web3関連では、金融活動作業部会国際的な規制機関である金融活動作業部会(FATF)のラジャ・クマール議長が、トラベル・ルールなどFATFの提唱する国際基準を、暗号資産(仮想通貨)セクターで遵守徹底させるべきとする内容の文書を発表していました。

G7諸国は「模範を示し、違法な金融取引が安全に行われるような場所が存在しないように仮想通貨セクターを規制すべき」とクマール議長が主張する中、G7ではどのように話し合われたのでしょうか。

AI関連では、Chat GPTをはじめとした目覚ましい発展を遂げるAIに対して、未だ追いつかない規制や姿勢の取り方をどのように取り決めていくのかが論点になるとされていました。特に日本はAIに対して柔軟に受け入れる方針を取っており、この分野での技術革新を推進していることから、規制を強める海外とどのような議論をするのか注目されていました。

実際に出された共同声明を見てみる

Web3関連のG7サミット広島の共同声明を抜き出してみましょう。

[原文] Effective monitoring, regulation and oversight are critical to addressing financial stability and integrity risks posed by crypto-asset activities and markets and to avoid regulatory arbitrage, while supporting responsible.

[和訳] 効果的なモニタリング、規制、監視は、暗号資産活動や市場がもたらす金融安定性や健全性のリスクに対処し、規制の裁定を回避するために不可欠であり、同時に責任ある活動を支援する。

明言はしていませんが、これはクリプトに対してやや否定的もしくは規制の方向を向いてるといった姿勢が読み取れるものであるといえるでしょう。

また、AI関連の声明をまとめると以下のようになっていました。

急速に進化するデジタル世界の技術ガバナンスの重要性を強調しています。主要なポイントを次にまとめます

  1. 技術の進化の速さ:技術は急速に変化しており、その結果、ガバナンス構造も進化する必要があります。
  2. 民主的価値観:公平性、説明責任、透明性、安全性、プライバシー尊重、人権、個人データ保護などの共有された民主的価値観に従って、技術ガバナンスを更新する必要があります。
  3. テクノロジー企業の役割:テクノロジー企業や他の関連ステークホルダーと協力し、技術の責任ある革新を推進し、デジタルプラットフォームでの安全性とセキュリティを確保する意向が表明されています。
  4. マルチステークホルダーダイアログ:OECDなどの組織を通じて、新興技術に関する協力とデモクラシーのための技術進歩についての包括的な多角的な対話を継続することが奨励されています。
  5. 信頼性のあるAI:AIの標準の開発におけるマルチステークホルダーのアプローチを推進し、法的枠組みを尊重し、透明性と開放性を促進し、AIガバナンスに関する国際的な議論の重要性を認識することを約束しています。
  6. 生成AI:生成AIの機会と課題を理解する必要性が指摘され、OECDやGPAIと協力して、生成AIに関する議論のために広島AIプロセスを確立するよう、関連大臣に指示しています。
  7. 没入型技術:メタバースなどの没入型技術の可能性が認識され、ガバナンス、公共の安全、人権問題をグローバルレベルで対処する必要性が強調されています。この文脈でOECDの役割も認識されています。
  8. デジタル貿易:デジタル貿易の促進と計算技術の研究開発における共同協力の可能性を検討するよう、関連大臣に指示しています。

全体的な目標は、AIや没入型技術の領域における急速に進化する技術を統治するための課題に対処するための国際協力と対話を促進することにあります。焦点は、ユーザーの保護、民主的価値の維持、責任あるイノベーションの確保に置かれていました。

まとめ

2023年の広島でのG7サミットでは、ウクライナ問題や核軍縮の話題が主に議論されましたが、今回はWeb3とAIについて議論が行われた点をまとめました。

Web3については、一部クリプトに対しての意見が出されましたが、その意見はやや否定的なニュアンスで、安全性などに気をつける必要があるといったような意見が出されました。

AIについては、技術が急速に進歩しているので、それに対応するためのルールや法律をどう作るかが主な議論の対象でした。それぞれの国が公平で、説明できる、透明性のあるルールを作ることが求められました。

また、テクノロジー企業やその他の関連団体と協力して、技術の発展を安全に、そして責任を持って進めることが重要であるという意見も出されました。

特に、新しい形のAIである「生成型AI」については、その可能性と課題を理解することが重要とされ、「広島AIプロセス」という新しい議論の場を設けることが決定されました。

また、メタバースなどの新しい技術の可能性についても認識され、これらの技術に関連する安全や人権問題を全世界で共有するためのルール作りが必要だと強調されました。

全体として、G7ヒロシマ2023サミットの新しいテクノロジーに対する議論では、AIや新しいテクノロジーの急速な進化に対応するために、国際的な協力と対話が必要であるという考えが強調されました。この目標は、ユーザーの保護、公平なルールの維持、そしてイノベーションの推進に焦点を当てています。

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